47.パワーアップ
進化したドワーフを引き連れ、私らは不死山登山を再開した。
山頂に近づくにつれて、吹雪が激しくなる。
が、パワーアップしたドワーフたちは吹雪を物ともせずに進んでいく。
「魔物だ! 黄泉熊だ!」
吹雪の中で燦然と輝く、黄金の体毛を持った巨大な魔物が出現する。
黄泉熊。
A+のヤバい魔物。
私は撤退を宣言しようとして、しかし、やめる。
ドワーフたちが私を見てる。
否、私の目を見ている。
私の目には、ドワーフ、そして黄泉熊二つの情報が映ってる。
これから情報を精査した結果……。
「やれるよ、あんたらなら、できる!」
「「「おう!」」」
上級ドワーフの戦士達が戦斧を構える。
「ギャァオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
黄泉熊の咆哮が大気を震わせる。
だが誰一人として怯えているものはいない。
「おれたちは聖母の姐さんがついてる! 姐さんからもらった力と、姐さんの目を信じるんだ!」
だっ! とドワーフ戦士たちが駆け出す。
グリズリーの攻撃。
ジョッパリーが正面から戦斧で、グリズリーの攻撃を受け流す。
「見える! おれにも敵の攻撃がみえるぞぉ!」
正面でジョッパリーが、相手の気を引いてる間に、左右からドワーフたちが挟み込む。
戦斧で攻撃。
「「ぬぅううん!」」
ザシュッ! 一撃をもって、黄泉熊のぶっとい両腕を切り落とした。
「とどめぇええええええええええええええええええい!」
ジョッパリーの攻撃。
勢いよく振り回した戦斧が、グリズリーの首を軽々とはねた。
グリズリーはその場に膝をついて、動かなくなる。戦闘終了……か。
「ま、まさかここまで強くなるとはね……」
こちらのほうが数的有利だったとはいえ、A+ランクの魔物を、1分もかからずしとめちまうとは……。
「さすがじゃな、聖母よ」
『まったくだ』
ガンメイジとアトーフェがうんうん、とうなずいてる。
「いやここ、私褒めるとこじゃないだろ」
「いや、聖母の力がなかったら、死んでおったわ」
『ただのドワーフをあそこまでの戦士にしてしまうのだ。やはりすごいな、聖母は』
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