43.消毒
魔食い。本当にそんなこと可能なんだろうか……とは、思わなかった。
ドワーフの口伝として残っているからだ。
「ようは、魔物の中の毒素を抜けば良いわけだ……」
なら、話は早い。
私は創薬の力を使って、ビーカーの中にとある薬剤を作り出す。
薬の聖女の能力。魔力を性質変化させ、あらゆる化学物質に変化可能。
「なんじゃ、この液体は……?」
「食添の次亜だ」
「しょくてん……? じ、じあ……?」
食品添加用の次亜塩素酸ナトリウムである。
学校給食とかでつかわれる、生野菜を消毒するときの消毒剤だ。
「ま、早い話が、悪いものを浄化する魔法の薬ってところだ。こいつを振りかける」
「なんと! そんなものが……しかし、魔法の薬を人の口で食べるものにふりかけてよいものなのか?」
「そりゃ食添だから問題ないよ」
切った肉を、次亜塩素酸ナトリウムで消毒。
流水で注ぐ。
まあ次亜塩素酸ナトリウムって、本来なら生野菜や果物に使うものなので、魔物の肉に使うのが適切かは不明だ。
が、試す価値はあると思う。
私には薬の力を倍増させる力がある。
次亜塩素酸ナトリウムの殺菌効果を強化すれば、瘴気を消毒できる……かもしれん。できないかもしれない。
「せ、聖母よ! な、なんか肉がキラキラ……輝きだしたぞ!」
「ま、まじか……鑑定」
私は光り輝く魔物の肉を鑑定してみた。
結果。
「か、可食……か。はは、食えるみたいだぜ」
「おおお! すごいのじゃ! まさか、魔物の消毒ができてしまうとは!」
しかし……まじか。
こんなことできるんだなぁ。
鑑定スキルで食べれることは確認した。
あとは……しっかり火を通して……いざ実食だ。
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