40.山登り
翌日。私達はアトーフェの引くそりにのって、不死山の麓までやってきた。
不死山には木が生えているため、こっからは徒歩となる。
「よいしょっと」
私は荷物を全部アイテムボックスに仕舞う。
「さすが聖母の姐さん」
「アイテムボックス持ちがいると旅が楽でいいな!」
ドワーフたちはしっかり睡眠&食事を取ったからか、元気いっぱいだ。
私も朝アンチとしゃべったので、やる気フルパワー状態である。
「よっし、おまえら。こっからは徒歩で頂上へ向かうぞ!」
「「「おう!」」」
今朝方、こいつらにはトン汁を食べさせておいた。
私の造ったトン汁にはパワーアップ効果がある。
「なんだか体が軽いぜ!」
「空だって飛べてしまいそうだ!」
私は不死山の山頂を指さす。
「んじゃ、いくぞ! 目指すは不死山頂上!」
『まあ待て聖母よ』
ひょいっ、とアトーフェが私の首根っこをつまんで、自分の背中に乗せる。
『まさかおまえも歩いて行くつもりか?』
「ったりまえだろ」
『我に乗れ。乗せてやる』
「馬みたいなことはしないんじゃなかったか?」
『基本はな。だが、おまえは特別だ、聖母よ』
いや、しかし……なんだか皆に悪い気がする。
が。
「姐さん、乗ってってください!」
「姐さんは女の子ですからね!」
私だけズルする訳にはいかないって思ったんだが、皆気にしてない様子だ。
……せっかくの厚意を、無駄にするのも嫌だった。
「そんじゃ……のっけてもらおうかね、神獣殿」
『任されよ。といっても、木が生い茂ってるので、走るわけにはいかないがな』
「十分さ。んじゃ、いくよおまえたち!」
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