35.レシピ公開
たんまり食料とポーションの入った魔法袋を、里のドワーフに渡しておく。
「本当にありがとうございました」
「気にすんな。あと、ほれ、これももっとけ」
私はアイテムボックスからメモ帳を取り出しておく。
「これは?」
「SSポーションの作り方」
「「「なにぃいいいいいいいいいいい!?」」」
ガンメイジとジョッパリーも驚いていた。
声がでけえよ……。
「ど、どういうだぁ姐さん!? SSポーションの作り方を教えるだなんて!」
ジョッパリーたちはSSの正体が、私だって知っている。
驚いてるのは、SSポーションの製造方法が、高い経済的な価値を生み出す代物でアルというにもかかわらず、レシピをただで渡したからだろう。
「それ金の卵を産むガチョウですよ!?」
「わかってるよ。でも、今は非常時じゃないか」
魔物は襲ってくるし、この寒さだ。
私が去った後に、こいつらがまた死にかけることだってある。
でもSSポーションがあれば、生存確率が跳ね上がるだろう。
「聖母の姐さん……気前よすぎるぜ! かっけー!」
「か弱きドワーフのため、秘中の秘を明かすだなんて……さすがじゃな」
ジョッパリー、ガンメイジが感心してる。
「作り方ちょっと難しいかもしんないけど、手先の器用なドワーフなら、作れるだろ?」
「はい……これなら、なんとか」
「聖女の魔力が仕上げに必要となるが、それはこれを使って代用してくれ」
赤い液体の入った瓶を、里のドワーフに渡しておく。
「なんですか? これ」
「血だよ。私の」
「聖母の姐さんの、血!?」
「ああ。血には魔力が込められてるからね。それ薄めて使えば、SSは作れるよ」
なるほど、とドワーフがうなずく。
「あとはおまえらに任せる。頑張ってくれ」
「はい! 他のドワーフたちの救助は、お任せください!」
こうして、私はまたドワーフの仲間を作ったのだった。
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