30.出発
不死山へと向かうことになった私達。
チーム分けとしては、
キンサイ、海賊団、アスベル、アンチ→居残り。
ドワーフたち、私、アトーフェ→不死山へ。
「ああ、セイコ……あなたと一緒に行きたいです!」
街の入り口にて。
アスベルが私に抱きつきながらわがままを言う。
「駄目だ。残れ。おまえはアンチとこの街を守るんだ」
「うぐぐ……あ、アトーフェを残せば良いじゃないですか」
「アトーフェにはやってもらうことがあるんだよ」
アンチを守るためには、アスベルかアトーフェを置いてく必要があった。
消去法でアスベルが残ることになる。
「うう……セイコの隣には俺がいたいのに……」
「はぁ……」
ったく。
こいつの私への重すぎる愛情は、まあうれしくもあり、けれど今は煩わしくある。
「とぉたま!」
アンチが近づいてきて、ぺんぺん、と足をたたく。
「かぁたまの、じゃま、しちゃ……めっ! です!」
「アンチ……うう……そうだな」
ひょいっ、とアスベルがアンチを抱き上げる。
どうやら我慢してくれるようだ。
「ありがとな、アンチ。お手柄だぞ」
「うー!」
本当にアンチは頭の良い子だ。
ちゅっ、と私はアンチの頬にキスをする。
「せ、セイコ……俺には……?」
「ねえよ」
「そんな! どうして!?」
「良い子でお留守番できたら、してやるから。待ってろ」
「ぅおおおおお! わかりました!」
やれやれ。
でっかい子供がもう一人居る感じだよ。ったく。
「ほな、皇后はん。お気を付けて」
キンサイが私にそういう。
「ああ。みんなも、気を付けてな。何かあれば通信機で連絡を」
「「「おう!」」」
こうして、私はドワーフたち、そしてアトーフェを連れて、不死山へと向かうのだった。
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