23.豚汁パワー
私らは街に入ってきた魔物を討伐しにきた。
街の中央、開けた場所に陣取る。
するとこちらに向かって足音が近づいていた。
「アトーフェ。敵はなんだかわかるか?」
五感にすぐれた神獣に敵の正体について探らせる。
『おそらくは氷狼だろう』
氷狼か。Bとかそれくらいのランクの魔物だ。
単体での攻撃力もさることながら、奴ら全員が氷の牙で攻撃してくる。
噛んだ相手を一瞬で氷漬けにするすごいスキルだ。
それを持った奴らが集団で襲ってくる。普通に脅威だ。
「アトーフェ。相手を威嚇してみろ」
こっちは神獣が仲間にいるのだ。脅せば逃げてくかもしれん。
『やって見るが効果は薄いと思うぞ』
アトーフェは大声を上げ敵を威嚇。
だが奴らは怯むことなく接近してきた。
アトーフェの言う通りになっていた。
『やつらは誰かに支配されているようだ。自我を持たぬ操り人形となってる。ゆえに、奴らに威嚇は通用しない』
じゃあ直接叩くっきゃないってことか。
敵の数はかなり多い。10や20ってレベルじゃない。
一方こちらは敵と比べると人数で劣ってる。
……勝てるだろうか。いや、リーダーが弱気になってどうする。
『心配するか、聖母よ。我はこの勝負、圧勝できると確信してる』
圧勝?
何を根拠に?
『くく、まあ見てるがいい』
そうこうしてるうちに氷狼が到着。
アスベルは勇敢に、相手に立ち向かっていく。
「ぜやぁ!」
アスベルが剣を振る。
ズバァアアアアアアアアアアアアアアアン!
「「「「は?」」」」
な、なんだあれは?
周りの連中はもちろん、私、そしてアスベルさえも驚きを禁じ得なかった、
アスベルが剣を振るっただけで、敵が木の葉のように吹き飛んでいったのだ。
「あ、アスベルお前、いつの間にこんな?」
確かに私と契約したことで、尋常ならざる力を手にれたが。
こんな剣を一振りしただけで敵がふっとび、そして体がバラバラになるくらいの威力を出せたろうか。
「ぐわぁあああ! か、噛まれた!」
ドワーフの男が叫び声をあげる。
くっ、噛まれると氷漬けになる……
パキィイイイイイイイイン!
「「「「は!?」」」」
し、信じられないことが起きた!
噛まれたドワーフでなく、噛んだ氷狼の牙が砕けたのだ!
牙だけじゃない、モンスターの体が粉々になった!?
ど、どうなってるんだい。
『聖母の作りし、聖なる薬の力だ』
「はぁ? んなものいつ作った?」
『あのうまい汁物のことだよ』
「んな?! と、豚汁のことかい!?」
『ああ。豚汁に込められた聖なる力のおかげで、食べたものは一時的に超人になってるようだぞ』
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