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22.敵襲、ドワーフと迎え打つ



 カイ・パゴスの港町にて、私は豚汁を振る舞った。

 そろそろこの国の事情について聞きだそと思った、そのときだ。


「大変じゃぁ! 魔物が襲ってきたぞぉ!」


 外で見張りをしていたらしいドワーフが、食堂に入っていたのだ。


「そんな! 外壁の穴はセイコが完璧に塞いだはず!」

「壁を乗り越えてきたのかもしれないね。いくよ、おまえたち!」


 私はアスベル、アトーフェ、そして海賊団員を引き連れて外へと向かう。

 敵が襲ってきてるんだ、迎撃する。


「アンチ。おまえはキンサイとお留守番だ」

「あい!」


 私は愛しい息子を抱き上げて、ちゅっ、とほおにキスをする。

 魔物がおそってきたことはこの子も承知の事実。


 怖くて、母親に抱きつきたくなるのをグッと我慢してる。

 それだけでなく、笑顔で、母を送り出そうとしてる。

 なんといじらしい。


「大丈夫なんかい、あんたらだけで?」


 キンサイがアンチを抱っこした状態で聞いてくる。


「当たり前だろ」

「せやけれど、あんたの虎の子部隊は本国におるんやろ?」


 私が才能を見出し、訓練を施してる帝国の兵士たちは、今ここにいない。

 が、夫に神獣、そして屈強なる海賊団がいるのだ。

 なんとかなる。


 なんとかしなければいけない。


「待ってほしいですじゃ!」


 ドワーフたちが手をあげる。


「我らも、あんたに加勢する!」


 ドワーフの男たちが、みな私の前に集まってきてる。

 彼らの目には強い戦う意志を感じられた。


 戦力が大いに越したことはない。


「せやけど、ドワーフさんら。おたくら一度魔物にやられたんじゃ?」


 キンサイのいう通りだ。

 彼らは魔物に負けたから地下に潜る羽目になったのである。


「それでも、やるのじゃ! リベンジマッチじゃあ!」

「「「うぉおおおおおおおお!」」」


 血の気の多い連中だ……いいね、気に入った。


「おいおまえ」


 最初に私に、加勢するといったドワーフに尋ねる。


「名前は?」

「ジョッパリーじゃ!」


「ジョッパリー、ね。よし、ついてこいおまえら!」


 ジョッパリーをふくめた、ドワーフたちが私の後ろからついてくる。


「お、おいジョッパリーやめておくのじゃ」

「ガンメイ兄ぃ! とめないでくれ! 故郷の街を壊されて、おれは腹が立っているのだ!」


 ん?

 ジョッパリーとガンメイジは兄弟っぽいな。


「しかしおまえ……またやられたらどうするのじゃ?」

「心配ないさ。私がついてる。この、薬の聖女さまがよ。いくら傷つこうと、私の薬でたちどころに直してみせる」


 ガンメイジはだいぶ迷ってるようだ。

 一方でジョッパリーは兄が止めてきても、やる気であるようだ。


「時間がない。いくぞ」

「おうさ! 姐さん!」


 ……まあいいか。

 ジョッパリーほかドワーフ連中と共に、私は外へとやってきた。


 アスベルたちが固まって陣形をとっている。

 そこへ、ドワーフたちを連れて合流。


 アスベルが隣にやってきて、私の前に立つ。


「セイコ。断られることを承知で言います。安全な……」

「断る」


 アスベルが言いたいのは、安全な場所で待っていてくれ、だろう?

 バカが。


「大事な夫と仲間が戦ってるのに、何もせず待ってることなんできるわけないだろうが」


 あいにく私は主人公の帰りを信じて待つヒロインじゃないんでね。

 

「セイコならそういうと思ってました。本当に勇敢で、とても素敵な女性です!」


 私が提案を蹴ったっていうのに、アスベルのやつ笑ってやんの。

 だいぶこいつも私のこと、わかってきてるみたいだな。


「さ、敵がくるよ。気を引き締めな、おまえたち!」

「「「応!」」」

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