17.到着からの敵襲
私達はカイ・パゴスへと上陸した。
ここは【ミノブ】という、南西にある港町だそうだ。
港には流氷がたまってて、船を着けることは困難に等しい状況。
加えて、停泊してる船はどれも氷付けになっていた。
「酷いもんだね、こりゃ……」
ミノブの街は完全にゴーストタウン化してるようだ。
街には人っ子一人居やしない。
店や建物は破壊されてそのままにされている。
「セイコ、これは一体……?」
「魔物に襲われたんだろうね」
地面には血の跡、建物には何かに引っかかれたような跡があった。
「食料を求めて人里に降りてきた魔物に襲われた……ってこところかね」
「…………」
アンチが私の腕の中で、ぎゅっ、と抱きついてきた。
「アトーフェ、アンチと一緒に船で待ってな」
フェンリルのアトーフェにそう言うも……。
「だい、じょーぶです!」
『くく……だそうだ。一人にしておくより、皇子をつれてった方がいいと我も思うぞ』
……まあ私も同意見だが。
ふむ……。アンチも大丈夫そうだし、連れて行くことにしよう。
「とりあえず国のことをよく知ってるやつから話を聞きたい。手分けして生き残りを探してくれ」
「「「了解!」」」
帝国の連中がジョリーロジャー海賊団船員たちと協力し、街を散策する。
私もアンチ、アトーフェとともに街を見て回った。
襲われたのはここ数日って感じ。
ならば……この街の連中はまだ生きてる確率は高い。問題はどこに居るかだが……。
PRRRRR♪
通信機に連絡が入る。
「どうした?」
『セイコ、現在街の西側で戦闘中! 外壁に穴が開いてました!』
外壁に穴か。そこから魔物が入ってきたんだな。
「いくぞ、アトーフェ」
私はフェンリルにまたがる。
アトーフェとともに現場へと向かう。
アトーフェは建物の屋根を跳びはねながら、現場へと急行。
「わ! かぁたまみてください! でっかい……おひと?」
「あれは、トロルだな」
トロル。3メートルほどのでかい亜人型モンスターだ。
肌の色は緑色。顔はゴブリンように醜悪。
手には何ももっておらず、周囲にいる連中を殴り飛ばそうとしてる。
アスベルが華麗なる剣技を披露。
敵の攻撃を避け、ずばんっ! と腕を切断する。
「セイコ! こちらは任せてください! 穴を!」
外壁にできた穴を塞いで欲しいってことか。
アトーフェに命令して、私達は壁際へとやってくる。
アトーフェの氷ブレスで固めるのが一番手っ取り早い。
が、氷が溶けてしまったらすぐに穴が開いてしまう。ならば……。
「私が聖女の力で結界を張るから、アトーフェ、あんたは敵から私を守りな!」
『了解だ聖母よ』
結界の構築には集中力を要する。
敵に邪魔されると、結界がとけてしまう。
「かぁたま……がんばえー!」
息子が応援してくれるだけで、構築速度が普段以上に加速する。
アトーフェはトロルの群れに対して、吠えて牽制してる。多分殺すことはたやすいだろうけど、そうなると私とアンチが無防備になるからな。
きちんと考えて行動してるね、あいつ。
ほどなくして、結界の構築が完了。
とりあず穴を塞ぐ応急処置だ。街を覆う結界を作るなら、もっと時間がいる。
「終わったよ!」
「こちらも終わりました」
アスベルたちが私のそばまでやってくる。
穴は私の結界によって塞がれている感じだ。
「早いところ街を覆う結界を張った方が良いね」
「ですね。ただ、その前に街の中にいる魔物残党を狩った方がいいかと」
アスベルは、ほんと現場で輝くタイプだな。
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