表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赦シエル  作者: Ellie Blue
1/5

プロローグ


 半獣の少年が一人、森の抜け道をくぐって天界へと足を踏み入れた。肉球のある黒い毛並みの二本足を、ふわふわとした雲が包む。その雲を跳ね飛ばし、少年は雲の上に建つ白い小さな小屋へと一目散に駆けだした。


「天使様、ナサニエル様っ!」

 その小屋の前。金色の長髪を持つ、男性の姿をした背の高い人影を見つけて、少年は叫ぶ。その人影は少年の方を振り向いて、穏やかに微笑んだ。

「やぁ、ハヨット」


「ナサニエル様、僕ね、昨日ね……!」

 ハヨットは力天使ナサニエルの元に駆け寄ると、目を輝かせ早口にまくしたてた。少年の黒いふさふさのしっぽもぴょこんと立った耳も、嬉しさを抑えきれないといった(ふう)に揺れている。

「ハヨット、焦らなくても時間はたくさんある。中でお茶でも飲みながら話そう」

 ナサニエルはそう笑って、ハヨットの黒いくせっ毛の頭を撫でた。

「は、はいっ!」

 ハヨットの元気の良い返事にうなずくと、ナサニエルはくるりと振り返って小屋の戸を開けた。


 その背に生えた翼は、片方だけだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ