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――――――――――遡ること、数十分前。
「ソラ、ところで、今日はどうする?」
「面白そうな人を探す!」
「そうだな……探してみるか」
そう言って公園を歩き始める。
公園とはいっても、遊具なんてものは存在せず、ウォーキングするための通路と、その脇にベンチが置いてあるくらいだ。
それくらいがちょうどいいのかもしれない。
「あれ、いいんじゃないか?」
「たしかに、おもしろいね」
見た目にクセがある。地雷系というらしい。
「いいな、世間を気にしない感じ好きだ」
本当に同じようなストーリーが多い。ラブコメで、いかにも最後には報われます、ハッピーエンドで終わります的な感じで、振られて、最後には結ばれる。いや、そういう物語よく見るし、きらいじゃないけど、めっちゃ好きでもない。
俺ガイルというアニメの終わり方が俺は好きだ。
「じゃあ、あれにしよー!」
「おー!」
…………。
「じゃなくて、なんで行かないの?」
「いつもソラ先に行くじゃん」
「たまにはユーマから行ってみてよ」
「えー、わかった。だけど、万が一の時には頼むぞ。自分でも、まずいことになるという自信がある」
ああ。質問しまくってしまう。余計なことまで突っ込んでしまう。そこが欠点だ。
正しい処世術を覚えなくては、と思いつつも、自分はそこが悪いところだと思ってないのだが。
「おうよ! あれだよ。秘策、ちゃんと使ってね」
「がんばるわ」
そういって、話しかけに行く。
「となりいいですか?」
相手が断れない、かつそこまで変に思われないことを話しかける。
なぜ、全く実用的でないようなナン……コミュニケーション講座となっているのか?
俺もわからない。
「いいですよ」
「……なんか悲しいことでもあったんですか?」
「ええ、まあ……」
戸惑いの表情を少し見せる。
「ごめん、俺コミュニケーションが苦手で、こういう時どうやって対応すれば良いのかわからなくて、
ソラの提案だ。この会話の始め方は。「ユーマ好奇心は高いんだし、いつも変なこと聞いてくるんだから、コミュニケーションでも最初から心を裸にしてぶつかっていけばいいじゃん」とのことだ。つまり、コミュニケーションが苦手だと最初に教えてしまえと。
「僕もわからないです……こういう時、話を聞いて貰えれば楽になるんですかね?」
彼女から提案してくれる。
「そうだね。それで楽になるなら、その相手役をぜひやらせてほしいかな」
そんな会話で、意外と面白かった。見た目が他の人と違うというのは中味も結構違って面白い。イケメンは同じような顔を
している気がすぐが、個性的な顔は何通りもある。
うなずきや、「面白ね」と言いながら、話を進めていって、心を許してくれたのか、ちょっと変わった趣味などを話してくれた。
他にも、以外と共通点が多いこと。
逆に、嫌いなことの共通点も多いこと。
途中から、ソラが来て「暇だったし、ユーマだけ仲良くなっててずるいし」といって一緒楽しく雑談をした。
優香は、なんか見ているの飽きたのか、最初は他の場所から眺めていたが、今はスマホをいじってる。
そして、30分くらい立ったところで、切り上げて、俺とソラは優香の方へ行く。