表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】「結婚しよう」「むり」を繰り返していた幼馴染に、1日だけ求婚しなかったら心配して甘えてきた  作者: shiryu


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/41

第29話 誠也と優香の母

後書きにお知らせがあります。


 勉強をし始めてから約二時間が経ち、徐々に集中力が途切れてきた。


 主に優香と健吾だが、むしろその二人しかいないが。

 問題集から目を離すことが多くなり、明らかに時計を気にしている。


「ね、ねえ、お兄ちゃん、そろそろ休憩しない?」

「そうだな、誠也。まだ昼も食べてないしな」


 優香が我慢できずにそう口にすると、健吾も間髪を容れずに賛成する。


「まあそろそろ一時くらいだし、昼ご飯を食べるために休憩にするか」

「やったー! はぁ、疲れたよぉ……」


 俺が休憩というと、優香が喜びを全身で表して伸びをした。


「お疲れ様、優香ちゃん。問題集も二周したし、あと一周したら違う教科をやろうね」

「えっ!? お、お義姉ちゃん、問題集を三周したら終わりじゃないの?」

「そんなわけないでしょ? 中間試験は数学だけじゃないんだし」

「うへぇ……受験がこの間終わったばかりなのに、なんでまたこんなに勉強しないといけないんだぁ……」

「高校受験ほど難しくないし範囲も狭いんだから、大丈夫だろ」

「それは出来る人の言い分だよ、お兄ちゃん……」


 机に突っ伏して、俺をジト目で見てくる優香。

 普通に毎日授業をちゃんと受けて、復習をしてれば大変ではないと思うが。


「なあ誠也、昼ご飯はどうするんだ? どっかコンビニに買いに行くか?」

「うーん、そうだな。俺が作ってもいいと思ったけど、五人分も作れるほど冷蔵庫に食材がなかった気がするし」


 そんなことを言っていたら、玄関のドアが開いた音がした。


「ただいまー」

「えっ、母さん?」

「あれ、お母さんが帰ってきたの?」


 玄関から聞こえてくる声で、俺と優香がすぐに母さんだと気づいた。

 そして廊下を歩く音が聞こえ、リビングのドアが開いて母さんが入ってきた。


「ただいまー、愛息子一人と、愛娘二人!」

「おかえり、母さん」

「おかえりなさーい」

「……真紀さん、私は娘じゃないですからね」


 香澄ちゃんをナチュラルに愛娘と数えて帰ってきた母さん、いつも通りだ。


「あら、かすみたん、今日も可愛いわね! 私の娘にならない?」

「むりです」

「うっ……フラれちゃったわ」


 母さんもフラれた、可哀想に。


「誠也、早くかすみたんと結婚しなさいよ! そうしないとかすみたんが私の娘にならないでしょ!」

「ああ、頑張る!」

「うん、頑張って!」

「……ここまで血筋を感じるものなのか」

「すごいねー、さすが誠也くんのお母様って感じ」


 母さんを初めて見た健吾と汐見さんがそんなことを言っていて、驚いているようだった。


「あら、高校のお友達かしら?」

「あ、初めまして、小林健吾です。誠也とは高一からの仲で」

「そうなのね。私は三条真紀、見ての通り誠也と優香の美しい母です!」

「お母さん、恥ずかしいから自分で言わないで」

「娘に恥ずかしいって言われた……」


 また落ち込んでしまった母さん、可哀想に。


「健吾くん、めんどくさい息子だと思うけど、これからも仲良くしてくれたら嬉しいわ」

「こちらこそ」

「そちらの可愛い女の子は?」

「初めましてー、汐見奈央です。真紀さんの娘の香澄と仲良くさせてもらってますー」

「あら、そうなの! いつも私の娘のかすみたんがお世話になってますー!」

「いえいえー、こちらこそー」

「奈央、私は真紀さんの娘じゃないから。それに真紀さんも」


 やはり汐見さんは空気が読めるというか、誰にでも合わせられる能力を持ってるのがすごいな。

 うちの母親は少し個性的なのに……俺が言えることではないと思うが。


「お母さん、今日は仕事じゃなかったの?」


 優香が母さんにそう問いかけた。


「仕事だったけど、午後はお休みなのよ。だからお買い物して帰ってきたわ」

「そうなんだー、お疲れ様」

「優香達はお勉強中でしょ? お昼ご飯は食べた?」

「食べてないよー」

「じゃあ私が作ってあげるわ!」

「えっ、いいの?」

「もちろん! フォアグラでいい?」

「なんで世界三大珍味が昼飯なの? というか買ってきたの?」

「いいえ、キャビアは買ってきたけど」

「なんで!?」

「スーパーで半額セールやってたから、買っちゃった」

「キャビアがスーパーで売られてるの? それに半額セールだったの?」


 優香が母さんと親子漫才みたいのをやっているが、どうやら母さんが昼ご飯を作ってくれるようだ。

 その後、母さんが料理している間、俺達は勉強をせずに休憩して適当に話していた。


「誠也の母さん、初めてお会いしたが……誠也にそっくりだな」

「そうか? いつも俺は父さん似って言われるが」

「いやまあ容姿は似てないが、性格がな」

「容姿でいえば、優香ちゃんが似てるよねー」

「まあ確かに似てるかもですけど……あの胸の遺伝子は私にはこなかったようで……!」

「あはは、まだ成長期だからいつか来るよー。香澄もお義母様に好かれているみたいでよかったねー」

「……なんか言い方に含みがあった気がするけど、まあ嫌われるよりはね」

「私はかすみたん大好きよ! 娘にならない?」

「むりです」

「うっ……フラれちゃった。かすみたんのスパゲッティにだけタバスコいっぱいかけちゃおうかしら」

「やめてくださいよ!?」

「冗談よ」


 うん、母さんと香澄ちゃんが仲良いようで、俺も嬉しいな。




本日から、ラブコメの新作を投稿しました!


「お堅い堅石さんは、僕の前でだけゆるえろい」


本作と同様に、甘々のイチャラブコメに仕上がっています!


下記にリンクを貼っておりますので、ぜひそちらから飛んで読んでみてください!

よろしくお願いします!

(こちらの作品も投稿頻度は遅くなりますが、ちゃんと続けますのでよろしくお願いします)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
役立たずの落第聖女は、隣国の辺境伯に嫁がされて覚醒する 〜「聖女は大嫌いだ」と言っていたのに、なぜ溺愛されているのでしょう?〜
新作の異世界恋愛です! よろしくお願いします!

fwy7j69ca98fhm884ezk9tz7d0mf_2ch_u0_16m_co1l.jpg.580.jpg

上記の画像をクリックすれば、公式ページに飛べます。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ