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雪辱のカタストロフィー~厄災認定で追放されたので復讐します~  作者: ボヌ無音
グレアブルー魔法学院 編

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69 お手本

 魔物に乗ったライバルチームに追いつかれまいと、必死に身体強化の魔法を付与して走り続ける担当チームQ。

両チームとも同じようなタイムで峡谷の入り口へと差し掛かった。時刻は夕刻前。日が沈む少し前だった。

 久方ぶりに見たアヴィが、俺を見て少し会釈をする。色々と会ったが無事に済んでいるようだ。

 さてここまで来ておいて、なにもないわけがないのだ。これは試験なのだから。木々草むらをかき分けて、峡谷の入り口が見えた時。

俺も生徒も「まじかよ」という言葉しか漏れなかった。


 魔獣――恐らくキメラだろう。数体うろついているのだ。

峡谷の入り口はあそこのみ。1体だけならなんとかその監視を掻い潜って抜けられただろうが、複数体存在するとなると完全に死角が存在しない。

戦闘は避けられない。

 しかもあれ、よく見ると使役されているようだ。俺達よりも先に行っているチームなんて無いし、となると――


「「あの新人教師……!!」」


 生徒達の明らかな殺意。それが向けられていたのは、あのグリーデ先生だった。こんな学校の教師をやるくらいだから、おどおどしていても実力はあると思っていた。

でもまさかキメラを召喚して完璧に使役しているとは、誰も思うまい……。


「ぐ、グリーデ先生は、他の魔法は全然だめだけど、しょ、召喚術に関してはピカイチだもん、ね」

「そーだね。多分谷にはもっといんじゃね? 超ダル」


……と、ラトとリラが話している。

 この様子だとグリーデ先生を見くびっていたみたいだ。俺達の試験の時は手を抜いて普通の魔法を使ってくれていたのかもしれない。

一応探知魔法を掛けてみるか。

 俺は地面に手をついて魔法を発動する。振動を読み取り把握する。……だめだ、これだけでも大量の魔獣がいるのがよくわかる。最奥にはかすかに動く小さいもの――これがグリーデ先生だろう。

あそこに辿り着くまでに一体どれだけの魔獣を倒せばいいのだろう。チーム同士の争いもそうだが、教師が殺しにかかってきているなこりゃ。


 キリア達は身体強化魔法で魔力を消費している。ここを無理に突破するにはいかないだろう。日も暮れ始めていることだし、谷に入らず休んだほうがいいだろう。

……とはいえ、目の前にキメラが居ては休むどころじゃないか。


「キリア、森を出る前に休んでから行きましょう?」

「……だが、あそこにキメラがあんなにいては……」

「俺達が片付けるから、キャンプの準備をしておいてくれ」

「はぁ?」


 話を切り出したラミアは同意してくれたが、プライドの高いキリアは俺とアヴィに頼むのを嫌がっている。

らちがあかないので「じゃあお前らで倒すか? キメラを、あんなに」と皮肉ると黙り込んだ。

プライドが高かろうが、今の自分の魔力と体力を考えたら不可能だというのは、彼でも分かるらしい。

同じくプライドの高いチームOだったが、彼らは無干渉。承諾と取ることにする。


「アヴィ、大丈夫か?」

「えぇ。()()()()()()()ですから」

「よし」


 俺も護衛という護衛をしていないし、腕が鈍っているかもしれない。生徒達にはナメられているようだし、ここらで頑張ってみるとしよう。


「腕を出せ」

「はい」


 アヴィの腕に触れるとバフを数回掛ける。身体強化、物理攻撃無効、物理攻撃50%向上。これくらいでいいか。

物理無効とは言っても、アヴィの体力を八割削るような攻撃は通してしまう。が、この化け物じみた体力値を削れる人間はおろか、魔獣もいないだろう。

攻撃力は1.5倍だが充分だろう。


 俺がバフを掛け終わると、アヴィは腰から戦斧を引き抜いて元のサイズへ戻させた。片手でくるくると遊んでみせるその様は、俺からのゴーサインを待っているようだ。


「先行ってていいぞ」

「はい!」


 尻尾を振って喜んだアヴィは、俺を置いて走り出した。たまには俺も魔法だけじゃなく武器で戦ってみるか。

その辺に落ちていた枝を拾って、物質変化魔法を掛ける。木の枝はグニャグニャと形を変えて、一本の剣へと変化した。試しに振ってみたがいい音だ。

俺もアヴィに続こう。


 身体強化を掛けたお陰で、アヴィは俺が出る頃にはもうキメラの元へと到着。戦闘を開始していた。もうだいぶ戦闘には慣れたようだ。率先的に出たがるのはちょっと改善してもらいたいが、怖がるよりかはいいだろう。

 俺も歩いて近付くと、最寄りのキメラが俺に気付いた。全速力で殺意を持って向かってくる。その走ってくる様も恐ろしい。

 何よりも俺よりも遥かに大きな巨体だ。体当りされただけでひとたまりもないだろう。俺のこの枝から生成した剣では刺すことすら叶わないかもしれない。

だがそれならバフを掛ければいいこと。刺さらないなら刺さるまで。死にそうなら死ななくなるまで。


 キメラは俺が攻撃範囲に入ると飛びかかってきた。体当たりする気だろう。せっかくだから正面からぶつかってみよう。

 空中を撫でると魔法陣が一つ展開される。防御系の盾魔法だ。一重では少し心配だ。三重くらいにしておいて様子を見よう。

魔法陣が更に重なるようにして三つ展開された。さて、召喚されたキメラの体当たりというものを見せてもらおうか。


 ゴン、という鈍い音がして盾魔法にキメラが衝突する。一番上の魔法陣が亀裂の入る音を上げる。一重で妥協しなくてよかった。しばらくして亀裂は広がりを見せ、最終的には割れてしまった。

 そしてそのまま勢いをなくしたキメラは地面へと着地。俺に攻撃が通用しないとわかったのか、そのまま地を蹴って更に後退した。

どうやら俺の様子を伺っているようで、追撃してくる様子が見られない。


「あれで全力とは言えないだろうから、守るには三重で十分そうだな」


 ……じゃあ、次は俺の番、だよな?

ゴーストオブツシマを買いました。

思っていたよりも仁くんがポンコツ脳筋。ゆな姐さんがイケメンすぎる。

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