新しい世界へ
コンクールは、選ばれなかった。自分なりに頑張ったから、少し自信もあったのに。
私は、何をやってもダメなのかなぁ・・・あぁもう、何でもいいや、聖也君にも、会えないままで、頑張ってた絵も選ばれなかった。もう、やだ。
学校にも、だんだん行かなくなり、部屋に居るようになっていった。なんだか、私は、誰からも必要とされてない気がしていた。
ある日ママが、手紙が届いたわよ。と渡してくれた。コンクール、受賞のお知らせと書いてあった。コンクールには、選ばれなかったのに、なぜ?と思った時に ママが「手紙は、なんて書いてあった?」と聞いてきた。受賞のお知らせを見せた。「ママが、詩穗の絵が素敵だったから、違うコンクールに応募したのよ。」詩穗が、あんなに頑張って描いていたのは、小学生の時以来、あんなに素敵な絵が、選ばれなかったのが信じられなかったのよ。 あのあとコンクールを探して幾つか応募してたのよ。」ママ、恥ずかしそうにいった。「ありがとう、ママ。受賞も嬉しいけど、ママが、私の絵を素敵って、言ってくれた事が、一番、嬉しかった。」
なんだか、目の前の霧が、スッと消えていくように
気持ちがすっきりしてきた。私は、私。頑張って描いたのなら、それでいい。気に入ってくれる人は、必ず居る。コンクールでも、なんでも世界は、広い一つや二つダメでも諦めないで、ママみたいに粘り強くなって、もう一度、自分を信じてみようかな。




