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正解なんてないんだよ。
「パパは、育児でも親子の関係でも正解は、ないって思うんだ。その人達にしかわからない事がある。周りは、好きなことを言うんだ。そんなものは、言わせておけば良い。大事なのは、自分達の気持ちだと思うんだよ。ママは、みんなに羨ましいがられてたらしいんだ。お医者さんの一人娘に生まれてきたからね。だけど、患者さんには、良い先生と看護婦さんだったけど、ママのお父さんとお母さんとしては・・・ママは、寂しかったって言ってたよ。お手伝いさんと過ごしてたって、いつも、病院が忙しくて。遊んでもらったこともほとんどなかったって。だから、自分の子供には、絶対にあんな思いをさせたくないって、詩穗が、生まれてから、看護婦は、辞めたんだ。この子の側にいつも居てあげたいって。」私は、何も知らなかったんだ。気が付いたら、泣いてた。ママ、私の事を本当に大事に思ってくれてたんだ。私にも、ママの気持ちが分かるようになってきたのは、私にとって本当に大事な人ができたからなのかもしれない。




