第14話 1ヶ月後
この国に呼ばれてから1月が経った。
今私たちは毎日の日課になっている鍛錬を終え、国王様たちと一緒に夕食を食べている。アスカ様は居ないけど。
「さて皆の者、日々の鍛錬ご苦労であったーーー」
それから長々と、話ををする国王様。
正直私にとってはどうでもいい。そん事より『彼』が居たところに行きたいのだが。
「ずっと真面目に聞いて偉いね美嘉は。私飽きちゃったよ」
ぼーっとしてたら親友の平瀬香織が小声で話しかけてきた。
髪はショートで肌は褐色。スポーツが得意な美少女。
別に真面目に聞いてはいないのだけど…。きっと無表情だったのだろう。
「私もよ。ただ、ぼーっとしてただけ」
本当のことだが本当では無い。矛盾しているけどそんなのどうでもいい。
私はぼーっとしながら、『彼』…瀬戸翔太君のことを考えていた。
このクラスでは今、彼のことは禁句になっている。だから誰も触れようとしないし触れない。
「また考えてたでしょ?『誰』とは言わないけど」
その問いに私は目を見開く。
香織は変に鋭いところがある。私が『彼』のことを考えているときは、毎回と言っていいほど言われる。
そんなに顔に出てるかな私?
思い切って聞いてみると「わかりやすいくらい出てる」と言われた。ポーカーフェイスには自信あったんだけど。
「ーーー聞いているかね聖女様?」
「え、あ、すみません…。聞いてませんでした」
国王様が私に聞いてくる。どうやら無駄話をしてるのがバレたらしい。
なんで私だけと思って隣を盗み見ると、香織が真剣な顔で国王様を見ていた。
こいつ、私が注意された途端、真剣な顔して逃れたな…。よし、後で報復を受けてもらおう。
ちなみに聖女と言うのは私のあだ名?と言うより二つ名らしい。私の回復から因んで付けられたものだ。
正直私はこの二つ名が嫌い。大事な人1人助けられないで何が聖女なのだろうか。
「ではもう一度説明する。君達にはこれから3日後、娘のミーアが通っている魔法学園に通ってもらうことになった。クラスは皆同じSクラス。立場としては特待生ということになっている。必要なものはこちらで揃えるので気にしなくていい。ただ寮生活となる為、明日からは鍛錬を無しとし、個人的に必要だと思うものを集めてくれ。お金は気にしなくていい、全てこちらが出す。以上だ。何か聞きたいことはあるかね?ーーーよし。では今日はゆっくり休んでくれ」
国王様が退出した、途端みんなが騒ぎ出した。どうやら鍛錬が休みなのが嬉しいらしい。
強くなると決めた私は不満でしか無いが…。
そんな事より『彼』の元に行かなければ。
私は気付かれないように、静かに食堂を後にした。




