第1話 俺は何をしたいのか
俺は浪人生だ、正確に言うと仮面浪人ってところかな。数ヶ月前のセンター試験での大失敗に加え、調子に乗っていたら滑り止めの大学にまで落ちてしまったのだ。まあこんなのはよくある話だな。
その後なんとか地方の短大に入学し、ここから俺の仮面浪人生活が始まったのだ。
近藤慧18歳、趣味はゲーム!アニメ!の典型的なオタク、これは俺のことだ。高校時代から多くのゲームには手を出していたが、一人暮らしを始めたらもうこの勢いは止まることを知らなかったんだよな。そして恋愛アニメなるものも多く見るようになった。これが俺の浪人生活を大きく変えていったのかもしれない。。
「おーい!!けいーー!」
「ん?めぐみか、おはよう」
彼女は詩音恵18歳、俺の数少ない女友達にして幼なじみ。家の事情などもあり、入学式で6年ぶりの再開を果たした。
「今日も一人で帰るの?一緒に帰ろうよ!」
「明るくて社交的なお前と違って俺には友達がいないんですよーっだ。」
「昔から変わってないね!そのひねくれた性格、ふふっ」
「悪かったな、あいにく俺は根暗オタクなんだよっ」
こんな感じで幼なじみってこともあってわりと仲がいいんだよな。
実は彼女もアニメオタクっていうのがこの関係を作り上げている。
「実はね、私けいと会わなかった6年の間にね、いろんな夢ができたんだ!」
「夢か、、俺は気象予報士、は理系壊滅だから無理だし、、今はないかな。」
「私はけいにも楽しんでもらえるような面白いアニメを作りたいの!」
その瞬間、幼なじみだった彼女は輝いていて、見たことのない顔だった。俺は何も言う事が出来なかった。




