第Ⅵ章『鍵の新たな世界』
籠の鳥だった私は白狼と城を去った。
今は森にある母様が住んでいた屋敷に住んでいる。
母様の一族は父様の一族より各は少し下だが有名な一族だったみたいだ。
初めて屋敷に来た私は、誰も使っていない屋敷だと聞いていたから汚れてるのではないかと思ったが外装や内装は綺麗で驚いた。
その時、白狼は私に言った
「屋敷が綺麗なのはマリア様の力が屋敷中に広がっているからです。」
詳しい話を白狼から聞くと母様は父様の元に嫁ぐ前に屋敷中に聖術をかけ屋敷の美しさを保っていた。
そして、私の体調は城に居た時よりは回復していき臥せる事も少なくなった。
でも、城に居た時より夜鳥に逢う回数は減っていた。
月に1〜3回しか夜鳥に逢えなくなっていた。
夜鳥も今は城から出て今は別の所に居るらしい。
——お仕事が忙しいのかな?
屋敷の庭園を見ながら私はフッと思った。
「姫様?
どうかなさいました?」
ぼーっと庭園を見詰める私を引き戻す様に白狼が私に声をかけた。
「ううん、何でもないの。」
私は苦笑しながらまた、庭園を見た。
「そうですか。
私は自室にいるので何かご用が御座いましたら呼んでください。」
「…うん」
白狼は部屋から出て行った。
そして、私はまた考えを巡らせていた。
——私が夜鳥に対して抱いている感情は一体何なの?
その感情が何なのかわからぬまま私は深い微睡みに堕ちていった…。
この時、歯車はまたしても音も無く廻っていて再び、双子を出逢わせ様としていた事はまだ、誰も知らない…————。