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運命の双子  作者: 雨音 唄乃 -Utano Amane-
第1部 始まりの物語
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第Ⅳ章『引き離された鍵の行方』

…あれから、どれぐらい経っただろう。


私は櫻と引き離された後、部屋に閉じ込められた。


扉には鍵が掛かっていて開けられない。

まるで、籠の鳥……。


そんな、私の傍に居てくれるのは母様の従者だった白狼はくろう夜鳥やちょうだけ。


白狼はくろうは母様が亡くなった後、私の従者として契約した。


白狼はくろうは母様の最後の命令で私と契約したと言う。


夜鳥やちょうはお仕事の合間を縫って会いに来てくれた。


私は今日もまた、夜鳥やちょうが会いに来てくれるのを待っている。


でも、白狼はくろう夜鳥やちょうも私を見ると悲しい顔をする。


それは、私が母様の記憶がないから…————。


私はどうして、記憶を失ったのだろう。


自分の母の事をどうして私は忘れたのかわからない…


「…サクラ?」



考え事をしていた私を呼ぶ声に我に帰った。



「!…夜鳥やちょう?」


部屋のテラスに心配そうな顔をした夜鳥やちょうが居た。


「どうした?大丈夫か?」


夜鳥やちょうは私に近付き頭を撫でた。


「…大丈夫だよ」


そう言って私は笑った。


「また、具合が悪いのかと思った。

此処、数日は殆ど臥せてたもんな。」


夜鳥やちょうの言う通り、私は数日は殆ど臥せてた。


生まれ付き身体の弱い私はベッドに臥せる事が度々、あった。


母様が生きていた時も遊んだ後は、具合が悪くなってベッドに臥せていたと白狼はくろうが教えてくれた。


…籠の鳥である私は白狼はくろうがいて夜鳥やちょうが居るから独りぼっちじゃなかった。


——そして、私はこの時、いえ、私と夜鳥やちょうは知るはずもなかった。


本来ならば、私達は惹かれ合ってはいけない関係だと言う事を……————。

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