神風特別攻撃隊
神風特攻隊と言われて、皆様は何を想像されるだろうか?戦争の記憶が風化していく中では、彼等の存在は歴史の1ページの点にしか過ぎなくなりつつある。しかし、その歴史の1ページのまとめ方は、ほとんどのものが間違っている場合が多い。間違っている事にすら、気付かず違和感を感じる人も少ない。神風特攻隊という存在があった事すらわからない。そんな若い世代も多い。歴史は常に繰り返してきた。戦争という殺し合いを何度も何度も。その度に進化してきたのは、無情にも残酷さだけが際立つ殺戮兵器の性能と、規模そして、浅ましいまでに現れた大国のエゴの塊である法律だけであった。それらの目的は全て教訓を忘れてしまう、あるいは、教訓を次世代や後世の人間に伝えさせない為、なのではないだろうか?人間は忘れる動物だ。しかしながら、肝心な事まで忘れてしまうからこそ、こうして戦争を繰り返してきたのではないだろうか?話が逸れたが、神風特攻隊はテロリストでも、狂ったメンヘラでも、変人でもない。普通の愛国精神で、精神状態も通常の唯の戦闘員である。自分達の置かれた立場を理解し、指揮官の命令に忠実に従ったまでの事である。テロリストは、民間人を巻き込む事を何とも思わない。自らの政治目的を達成する為ならば、女子供であっても容赦なく殺す。特攻隊員は、あくまで敵戦闘員及び敵艦を標的にする。そこに民間人はいない。同じような航空機を使った作戦ではあるが、ワールドトレードセンターに突っ込むのと、空母や戦艦に突入するのでは、全く意味合いが異なる。確かに、特攻隊に対する意見は、否定的なものが多い。特攻が美化されるような事はあってはならないだろう。当時を生きていない人間が、その作戦自体をどうこう言える立場にはない。それよりも大事なのは、日本海軍という組織が、禁じ手である特攻をするに至った経緯を知っておく事が、必要であろうと思う。特攻を行なっていたのは何も海軍だけではない。大日本帝国陸軍も、航空機部隊を用いて、特攻作戦を行なっている。大切なのは、その作戦で亡くなった多くの方の死の意味を考え、我々がどう生きていけばいいのかを考える事にある。それこそが、後世の我々が神風特攻隊を理解する事につながるのだ。ただ事実として、世界史上これほどまでに犠牲を出した、十死零生の作戦自体を決行した組織は、大日本帝国陸海軍以外には見当たらない。当時、この特攻は連合軍から(スーサイドアタック)自殺攻撃と呼ばれ、連合軍兵士は恐怖したという。実際の特攻では体当たりに至らず、敵艦まで辿り着けない事が多くあったようだ。敵船の近くは、多くの敵戦闘機部隊が待ち構えており、そこをくぐり抜ける事が出来たとしても、敵艦上には無数の艦砲射撃が待っていたからだ。その現実は知っておくべきだろう。