表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

どうやら私は変態キャラらしい

 物心ついた時から前世の記憶があった、というか私は覚えている。

 

 私の前世はごく普通の家庭に生まれ、何の不自由も無く学生を満喫し、社会に出てもこれと言った功績も残せずに定年退職した。そして老後の人生を夫とともに過ごし、最後は病気で夫よりも私の方が先に死んだ。


 そんな平凡で普通な人生を送った私だが、今世ではお譲さまとして生活を送っている。


 お父様はサイオンという航空関係の会社、そしてお母様も西園寺ファンドという投資の会社を経営している。どちらも日本では有名な企業であり、そのおかげで私はお嬢様として生活している。


 

 しかし、私は気付いたのです。この世界は私の読んでいた漫画の世界だという事に・・・。

 

 

 気付いたのは、聖麗学園の中等部のクラス発表時。うちの学校はお金持ちの生徒が多いので、学校に来てからクラスを見るのは面倒くさいという理由で、クラス発表はネット上で行われる。クラスはA、B、C、と3つあり、私はその中のAクラスだった。他の人の名前も確認したが、どうやら私と仲のいい友達は違うクラスらしい。しかし、殆どの人が初等部からエスカレーター式で上がっているので、クラスメイトはほぼ知り合いだからどうってことは無い。


 その時、気になる名前があった。『光宗美夏』、『川崎綾』、どちらもどこかで見た覚えのある名前だが、聖麗学園の初等部にはいなかった。


 しかし、この名前はどこかで見た事が、小説?映画?漫画・・・・あっ漫画だ。そうだ。前世で流行っていた。少女マンガ『君に恋してる』という漫画だ。


 確か、主人公が川崎綾で、この子は中等部から推薦でこの入学した生徒。そして光宗美夏も中等部から入学した生徒で、こちらはかなりのお嬢様だったはず。その二人は最初から仲が悪く(最初に意地悪した美夏がわるいんだけど)、その二人の仲を決定的に悪くさせたのが、黒田薫という存在。


 黒田薫はイケメンで性格も良く、初等部でも王子様キャラだった。私は全くカッコいいとは思わなかったけど、女の子からモテていたのは確かだ。その黒田薫が、中等部2年の時に同じクラスメイトの川崎綾と仲良くなり、それを良く思わない光宗美夏が、かなり悪質ないじめをする。しかし、綾はそれを自分の手で打ち破り、薫に告白する。薫はその告白を了承し、お付き合いが始まる。恋愛戦争に負けた美夏は、ショックでしばらく休学後、退学してしまう。そして綾と薫が付き合い、その後の話が続いていく物語だ。


 あれ?だったら私の役は何だ?西園寺桜何てキャラいたかな?


 ・・・・・・・はっ!!いたよ。美夏の取り巻きだった変態キャラとして登場してた。


 美夏の事をお姉さまと呼び、美夏の着替えを覗いたり、美夏の唇をいつも狙っていたりしている人物。そう言えば西園寺桜って名前だったなぁ。


 また、この西園寺桜って女の性格が悪くてね。確か美夏の意地悪のほとんどが、桜が考えたものだったような。


 しかし、私は12年間生きてきたが、悪い事をした事は無い。軽い悪戯をした事はある。でも、いじめや犯罪行為に手を染めた事は無い。初等部の時には、どの先生にも優等生だと言われてきた。そう、私は悪女では無い。


 もしかして、漫画の設定どおりに動いた方が良いのかな。 

 

 いや、漫画のストーリー通りに動かなくてもいいのだ。今は漫画の世界では無く、私の人生だ。私は私らしく生きていく。だから取り巻きにもならないし、変態にもならない。


 悪役や主人公に関わらないで生きていこう。私は優等生として生きていくんだ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ