結局全部が青春
ゆっくり連載してくので、よろしくです!
三年間なんて、すぐに終わる。
人生の中で三年間というのはちっぽけで。
でも、その三年間過ごしていた時の自分は長く感じてしまう。
そして、はやく大人になろうと背伸びをするのだ。
「クリスマスかあ」
俺は空を見上げながら呟く。
「ちゃんと掃除しなさいよ!」
奥からクラスメイト奥田千枝の声が聞こえてくる。
「わかってるよ」としぶしぶ言いならホウキを動かした。
寒さで手が固まる。白い息が出る。横目でふと見ると、学校にある松の木で先生達は星の形の形をどこからか持ち出し、格好悪いクリスマスツリーを作り上げていた。
「なあ、クリスマスと言えばなんだと思う?」
俺の隣でサボって先生達の作業を見ながら、ベタなセリフを言う自称俺のフレンド三澤和樹。
「じゃあお前はなんだと思うんだ」
俺は適当に返しながらもホウキを動かし、落ち葉を集める。
「えー。そうだな。恋人。キス。初体験」
「それ全部同じジャンルだろ」
俺はため息をつく。年頃の同級生は皆同じことを言う。
「じゃあ、お前はなんだと思うんだよ」
三澤がじと目で俺を見てぼやいた。
俺は少し考えてぽつりとつぶやく。
「……皆でクリスマスパーティー」
そうやって三年間が過ぎていくと思う、高校一年の冬。