怒ったお母様に頬を張られてしまいました
あの後、私はお父様達に連れられて、スカイバードでボフミエの首都ナッツアに帰ることになった。
お母様が激怒していると思うと少し怖かったけれど、シャラおばちゃんがついてきてくれると言うから、私は少し安心していた。
お父様もお兄様もお母様には一緒に謝ってくれると言ってくれたけれど、お父様もお兄様も本当に信用出来ないのよね。
「しかし、アリスも母親のために最果てのダンジヨンに潜るなんぞ、なんと親孝行の事じゃ!」
シャラおばちゃんがそう請け負ってくれていたので、私は安心していたのよ。
お母様もシャラおばちゃんの前では大人しいはずだと私は考えたの。
でも、それは甘かったわ。
空港でスカイバードから降り立ったときだ。
目の前にお母様がいたの。
そのお母様は目が釣り上がっていたのよ!
私はやばいと思ったときには遅かった。
パシーン!
私は思いっきり頬を張られていた。
「おい、クリス!」
お父様の慌てた声と、何故か馬のおじちゃんと暴風おばちゃんがさああああっと下がるのが同時だった。
お兄様とブラッド達も一瞬でシャラおばちゃんの陰に隠れてくれたんだけど……
お父様もお兄様もお母様の手を止めてもくれなかった。
重大な裏切りだ。
というか、家を抜け出したのはお兄様も同罪なのに!
何でお兄様は張られていないの?
私も少しむっととしたときだ。
「クリス、その方、何をするのじゃ!」
シャラおばちゃんが怒ろうとしてくれたが、
「シャラザール様はお黙りください!」
「な、何を……」
お母様の声にシャラおばちゃんが反論しようとして口をパクパクしてくれたが、お母様が激怒している様子を見て黙ってしまったんだけど……
ええええ!
全能神もお母様の前では黙るの?
やはり世界で一番強いのはお母様じゃん!
私を絶望が襲った。
そもそもシャラおばちゃんに助けてもらおうと思ったのが間違いだった。
「アリス、無事で良かった」
でも、次の瞬間、私はお母様に抱きしめられていたんだけど……何この展開。
思いっきり張られた後に抱きしめられるって、鞭と飴を使われたってこと?
私はとても混乱した。
「アリス、どれだけ心配したと思っているのよ」
涙ながらにお母様が告白してくれて、
「お母様! 私もお母様が不治の病じゃないかって心配だったのよ」
私も思わず泣き出していた。
「えっ、私が不治の病ってどういう事?」
お母様が聞くと、
「アリスは君のつわりを見て、そう思ったみたいなんだ」
お父様が今頃説明してくれた。
出来たらお母様が手を出す前に止めてほしかった。
まあ、絶対に無理だと思うけれど……
「えっ、それはご免なさいね。まだ安定期に入っていなかったからアリスには言わなかったけれど……」
「お父様から聞いたわ。赤ちゃんがいるんでしょ」
お母様の言葉に私が言うと、
「アリスはクリスが不治の病じゃと勘違いして、ジャルカの置いていった万能薬を取りに最果てのダンジョンに行っておったのじゃ!」
横からシャラおばちゃんが言い訳してくれた。
「えっ、そうなの? アリス。それはご免なさいね。でも、今度からはどこかに出かけるときは必ずお母様に言ってから出かけるようにしなさいよ。判ったわね」
きっとしてお母様が私に約束させた。
「はい」
私は一応は頷いておいた。
ここで反論したらまた100倍になって返って来る。
今度出かけるときはもっとバレないようにしないといけないと私は心に刻みつけたのよ!
結局その日は一日中お母様の膝の上で過ごすことになったけれど、たまには私もお母様孝行をしないといけないのよ!
心の中で言い訳しつつ、お母様の膝の上はとても暖かかった。
ボフミエに吹く風は既に初夏の風だった。
おしまい
ラストがあれではということだったので、少し付け足しました
これにて完結です。
閑話等はこれからあげていきます。
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