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最奥の間まで全てのトラップを無視して突っ走りました

 私の悲鳴がダンジョン中に響き渡った。

「アリス、大丈夫か?」

「何があった?」

 お兄様とブラッドが慌てて駆け寄ってくれたが、

「私の手が食べられている!」

 手首が押さえられて抜けない!


「馬鹿だよな、アリスも。美人でないのに手を入れるから」

 ブラッドが馬鹿にしてくれたけど、

「何言っているのよ。そんなわけないでしょ。シャラおばちゃんにもお前は私に似て美人だって言われたんだから」

 私が自慢したら、

「お前、シャラザール様の基準が違うだろう」

 ブラッドが完全に馬鹿にしてくれた。

「ふーん、そういう事言うんだ。良いわ。シャラおばちゃんにブラッドがおばちゃんが美人な訳ないだろうって馬鹿にしていたって言ってやるから」

「いや、ちょっと待て、アリス。それだけは止めて!」

 ブラッドが必死に慌てだしたが、私は知らない。


「ふんっ」

 私は無視した。

 今までの恨み辛み全て晴らすためにも絶対にシャラおばちゃんに言ってやるんだから!


「アリス様。お願いします。そんなことされたら俺殺されるから」

 ブラッドが手を合わせて懇願し始めたが、無視だ。


 というか、

「おい、そんな事言い合っている場合か」

 お兄様が注意してきた。

 そうだった。私は手が抜けなくなっているんだ。


 そう悟った時だ。

 真実の口が万力のように閉め出してくれた。


「痛い、痛いから!」

 手が挟まれて痛い、痛すぎるのよ!


「おい、アリス大丈夫か?」

 お兄様が慌てて真実の口を開けようとしてくれたが、びくともしない。

「おい、アリス、真実の口に謝れ! そうしたら離してくれるから」

 ブラッドが訳の判らない事を言い出してくれたけれど、私が美人なのは真実よ。

 絶対に謝るもんか!


 もうこうなったら許せないわ。

 私を美人でないと馬鹿にしてくれて、なおかつ手を挟んで痛い目に逢わせてくれるなんて許さない。

 私の力を思い知らせてやる!

 私は完全に切れていた。


「喰らえ!」

 私は手から爆裂魔術を放っていた。


 ドカーーーーン!

 凄まじい爆発音と共に、扉が吹っ飛んでいた。


「ギャッ!」

 お兄様達も反動で吹っ飛ぶ。

 扉は瞬時に木っ端みじんだった。


 爆煙がなくなった後には、焼けただれたダンジョンの壁があるだけだった。


 何故かその先にも扉が何枚もあったが、私の爆裂魔術の一撃で大半が弾き飛ばされていた。


「これは酷いな」

「ああああ、扉が何枚もあったのに、アリスがやるから。途中に宝箱があったかもしれないのに!」

 お兄様とブラッドが呆れてくれたが、


「良いのよ。私を馬鹿にしてくれた奴らは木っ端みじんにしてやるわ」

 私がいきり立って叫んでいた。


 手を押さえる。

 本当に痛かった。

 こんなのだったら最初から一撃で扉を吹っ飛ばせば良かった。

 私は少し後悔した。


 仕方が無い。

「おそらく、あと少しで最奥の間だ。気をつけていこう」

 お兄様が言って歩き出した。


「あっ」

 前を歩いていたお兄様が横に飛び退く。


 お兄様のいたところに上から剣が落ちてきた。


 ズバッ


 地面に突き刺さった剣がキラリと光った。


「何て危険なところなの!」

 私は目を大きく見張った。

 空から剣が降ってくるって何だ?

「さすが最難関ダンジョンだな!」

 ブラッドは横で喜んでいるんだけど、何が嬉しいのよ?

「命をかけている瞬間って気がするだろう?」

 馬鹿なことを言っているブラッドが次の瞬間沈んだ?

「ギャーーーーー!」

 ブラッドの足下がなくなったのよ。

 落ちていくブラッドの手を慌てて掴んであげた。


「はあはあはあ!」

 ブラッドの息が荒い。

 遙か下には剣先の山がこちらに向けて不気味な光を帯びて光っていた。

 あのままなら確実にブラッドは死んでいたと思う。

 いや、まあ、赤い死神の息子だから死なないかもしれないが、大変な目にあっていたのは確実だ。


「すまん、助かった」

 そのブラッドを引き上げてあげたらブラッドからお礼を言われた。


「気をつけなさいよ」

 私はお礼を言われ慣れていないので、少しぶっきらぼうに返事した。


「しかし、この先は色々とありそうだな」

 お兄様が先を見て、うんざりした声を出した。


「モンモン達がどうなったか心配だわ」

 私が言うが、

「しかし、どんな罠があるか判らないし」

「そうだぞ。アリス。下手したらお前でも死ぬぞ」

 お兄様とブラッドが慎重論を言い出してくれたが、こんなトラップ気にしていたら最奥の間につくのがいつになるか判らない。


「一気に突っ走るわよ」

 私は2人の手を取った。


「えっ?」

「いや、アリス、待て!」

「俺はまだ死にたくない!」

「行くわよ」

 そう叫ぶと駆け出したのだ。


「ギャーーーー」

「辞めろ死ぬ!」

 2人が叫ぶが無視だ。


 私は一気に駆け出した。


 途中で地面が無くなろうが、槍が降ってこようが全く無視だ。

「「ギャーーーー!」」

 横から槍が突き出してきた時はお兄様達が悲鳴を上げたが、いちいち煩いのよ!

 私の障壁で全て弾き飛ばししているんだから、黙っていてほしい。


 ドカーン!

 地面が爆発した。

 機雷が仕込まれていたみたいだ。

 しかし、そんな爆発も私の障壁があればびくともしない。


 矢が降ってこようが地面が無くなろうが全く無視だ。

 私達は休む間もなく、大きな扉の前まで一気に突っ走ったのだった。



強引なアリスの前に最果てのダンジヨントラップも何の役にも立ちませんでした……

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の

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