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攫われた友人達を助けるために最奥の間に向かいました

 お兄様とブラッドがおいてきたという洞窟の入り口に戻ってもモンモンもイリーナも跡形も無くいなくなっていた。


「えっ、モンモンは丸々太っていたから魔物に食べられたの?」

 私は唖然とした。

 そして、失敗したと思った。

 イリーナもモンモンもむかついていたけれど、こんなんだったら2人とも私の傍にいさせれば良かった。


「いや、それはないだろう」

「そうだ。イリーナはそう簡単に魔物に食べられたりしないぞ」

 お兄様とブラッドが否定してくれたけれど、


「あっ、これ、モンモンのストラップよ」

 私はモンモンがいつも腰につけていたパンダのストラップを拾い上げた。


「モンモン、こんなところで魔物に食べられるなんて!」

 私が呆然としていたときだ。


「おい、これは何だ?」

 ブラッドが紙切れを拾った。

「なんて書いてあるの?」

 慌てて私が聞くと、

「汚くて読めない!」

 そう言ってブラッドは私達に見せてくれたんだけど……本当に幼い子供が書いたような汚い文字だった。


「モンモン、こんな汚い置き手紙を残して出て行ったのね」

 私は驚いた。

「やっぱりブラッドの背中は嫌だったみたいよ」

「おい、それはどういう意味だ?」

 むっとしてブラッドが私を睨み付けてくれたけれど……


「だってこんな汚い置き手紙を置いていくくらい嫌だったのよ」

「そんな訳あるか!」 

 ブラッドは反論してくれたけれど、

「そうかな?」

 私は首を振ってやったのよ。


「おんなのこたちはあずかった。いのちがおしければ最奥の間でこい、まほう?」

 お兄様が解読してくれた。

「魔法って何だ? まほうって?」

 ブラッドが尋ねてきた。


「そんなの聞かれても知らないわよ」

 私が答えると、

「魔法、山賊とかじゃなくて、魔法と言えば、ひょっとして魔王じゃ無いか?」

 お兄様が言い出した。

 魔王って魔物の王様のことだ。

「あっ、きっとそうよ!」

 私は頷いた。


「えっ、ちょっと待て、魔王ってちょっと大変じゃないか!」

 ブラッドが叫び出した。


「本当に魔王なの? 昔お母様が浄化したっておっしゃっていたけど」

 私が不思議に思って尋ねると、

「いや、魔王は今まで何回も復活しているはずだ」

 お兄様が言い出してくれた。

「そうなんだ。魔王ってゴキブリ並みにしぶといのね」

 私は呆れてしまった。


「その魔王に捕まっているのならば大変じゃないか?」

 ブラッドが慌ててくれたけれど……

「魔王は最奥の間に待っているって言ったんでしょ。こうなったらさっさと行くしかないわ。ねえ、ピーちゃん」

「ピー」

 私の言葉にピーちゃんは嫌そうな顔をしたけど……

「大丈夫よ。ピーちゃん。高々魔王なんて私が一撃で倒してあげるから」

 私が自信満々に言うと、

「本当にアリスで倒せるのか」

 ブラッドは疑い深そうに見てくれたけれど……

 シャラおばちゃんがダンジョンには私が倒せない奴はいないって言ってくれたのよ。

 基本は倒せるはずだと思う。


「しかし、この魔王、なんで簡単な文字でしか書いていないんだ? 余程馬鹿なのか」

「うーん、そうなのかな?」

「ま、そうなんじゃない!」

 私達の言葉を聞いて魔王がくしゃみをしていたなんて知らなかった。



 私達はそこから懸命に歩いた。


 途中でピーちゃんが疲れたのか私の胸に飛び込んできたが、ピーちゃんなんて軽い物だ。


 私達はモンモンはおろか魔物にも出会わなかった。


 そして、とある扉の前に到着した。

「おい、なんか汚い文字が書いてあるぞ」

 ブラッドが教えてくれた。

「なんて書いてあるんだ?」

「汚くて読めん」

 お兄様の言葉にブラッドが首を振ってくれた。


 私も読もうとしたが、象形文字が書いてあるとか判らなかった。


「お兄様、これ古語か何かで書かれているわ」

 私が両肩をすくめて言うと


「違うぞ。字が汚いだけだ」

 お兄様が否定してくれた。

 字が汚いだけって、お兄様はよくこんな汚い字が読めるわね。

 私は別な意味でお兄様を尊敬した。


「なんて書いてあるの?」

「うーん、何々、しんじつのくちって書いてあるぞ」

「真実の口?」

「何でも嘘をついて手を中に入れると捕まってしまうそうだ」

 お兄様が説明してくれた。

「そんなの本当にあるの? 何かとても胡散臭いわ」

 私が白い目でこの空いている口の部分を見た。



「それでなんて書かれているんだ?」

 ブラッドが早速聞いてくれた。

「何でも、この世界で一番の美人が手を口の中に入れたら扉は開くと書かれているぞ」

「じゃあ、私ね」

 私が手を上げて言うと

「そんな訳あるか」

 ブラッドが否定してくれた。

「何言っているのよ! 私に決まっているでしょ」

 私がさも当然だと言う風に答えると

「そんな訳無いだろう」

 ブラッドが再度否定してくれたんだけど

「しかし、ブラッド、ここに女の子はアリスだけだぞ」

「そうよ。何ならブラッドが女装して手を入れてくれても良いけど」

 私がブラッドに笑いかけると

「そんなの出来るかよ」

 ブラッドが首を降ってくれた。


「じゃあ、私がやるしかないじゃない」

「仕方が無いな」

 不満そうにブラッドが首を振ってくれた。


「でも、それ本当なの?」

 私はお兄様を疑い深そうに見るが

「そう書いてあるんだから取りあえずやるしかないんじゃないか?」

 お兄様がそう言ってくれた。


「まあ、そうね」

 私は深呼吸するとその口の中に手を差し込んでいた。

 その瞬間だ。

 口がパクリと閉じられたのだ。

「ギャーーーー」

 私の悲鳴がダンジョン中に響き渡っていた。











真実の口が閉じてしまったアリス。

アリスの運命や如何に?

お楽しみに!

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

私の

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