4-13 本当にモブなのか?
「テスト今回は僕が1位だったね!」
「……」
シエルが風邪でテストを休んだので僕がなんと1位に!やったね。
「くそっ」
珍しいエリックの直球の悪態を聞けて僕も機嫌が良い。
「言い訳はしない。次こそ負けないからな!」
「うん」
本気で悔しかったのか目に涙を浮かべながらそれを悟られないよう後ろを向いて、そのまま足早に去っていった。僕はもちろんその涙を見なかったことにした。
「すごいな1位じゃないか!」
リエルが後ろからぶつかるように肩を叩いてくる。今のリエルは男形態なのでダンプカーがぶつかってくるような衝撃。
「当然だよ。……シエルいないし」
「そう言うなよ。1位は1位だろ?」
「それはそう。やっぱ僕超天才だね」
「その調子」
年齢詐称してるし誇りにくいけど高一ともなればそこら辺の差も埋まるだろうか。
「何この人ゴミ……」
ハルイが人だかりの波を抜けて僕達の前に来る。
今回は不動のミスパーフェクトことシエル・ミラーヴィジョンが不在なので、エリックと僕どっちが1位になるか皆気になって見に来ていたらしい。テストの点はさっさと分かっているので、通ったら見るくらいなんだよね、いつもは。
ハルイは僕とエリックが中等部時代から醜い2位争いをずっとしていたことを知らないので戸惑っているのだろう。
「ハルイ、お前は何位だったんだ?」
リエルがそれを見てハルイに声をかける。
「え?私、私は31位……」
高い。さすが主人公、知能ステも高い。
「って横にいるの、セーブ&ロードくん!?」
「……」
ばっちし僕を見てハルイがそう言った。
なんでその呼称知ってんねん。まさかハルイも転生者か?
「えーと、僕の名前はスティーヴだけど?」
「あ、ああ。そうだよね。あれ?私も何言ってるんだろ。せーぶ?」
ハルイも自分が何を言ったのかよく分かっていないようだ。お遊び選択肢みたいなもんだったのかな。転生者かどうかは保留で。
「僕のこと知ってたんだ」
「そりゃクラスメイトだし……ん?1位のスティーヴ・ヘイズって」
「僕だよ。皆僕の1位を見に来てたのさ。取ったぞー!」
僕がそう言って人差し指を立て腕を上げると周りの人から歓声と拍手をあと少しの怒号が聞こえた。貴族派と平民派の代理戦争みたいなとこもあったしね。
「僕は大抵保健室にいるから、聞きたいことがあるならテオ先生を選択するといいよ」
「え?」
転生者って前提でカマかけてみたら普通に困惑されてしまった。血のように赤い目が戸惑うように揺れている。
「勉強の話さ。学年1位は伊達じゃないってね」
気を取り直して言い直す。
「だいたい2位か3位だぞ」
「うるさいなぁ。今回くらいかっこつけさせてくれよー」
なんだよリエル。
「ヘイズくんって頭良いんだね?あの傲慢で人の心がない俺様王子とやり合ってるなんて」
めっちゃディスられてるエリック。
「ま、そうだね?僕は頭良いよ。エリックと比べられるのは微妙な気分だけど。あとヘイズくん、なんて他人行儀な呼び方じゃなくてスティーヴでいいよ?僕たちクラスメイトだろ?」
「その前にお姫様だからなハルイ。平民なんて呼び捨てでいいだろ」
「あはは。また頭飛ばされたいの?」
「うっ、それは嫌だ……」
僕をからかってきたリエルはさておきハルイはどんな反応かな。
「じゃお言葉に甘えてスティーヴって呼ぶね!」
「うんハルイ。また会おう。じゃ、僕は保健室に帰るから」




