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乙女ゲームのセーブ&ロードくんがあだ名のモブ?に転生したので平和に暮らしたい  作者: 神谷洸希
高等部1年生

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4-12 釣り

「僕が奢るからじゃんじゃん食べていいよ」


「屋台の飯は不潔だからいらない」


「……」


 なあこいつ本当に乙女ゲームの攻略キャラか?


「それよりなんでメイド服着てんの?」


「そりゃ僕のクラスの出し物がメイド喫茶だったからさ。似合ってるだろ?」


「多分?なるほどな。ハルイと同じクラスなのか先輩」


「そうだよー」


 誘導尋問みたいだ。

 リールからすれば怪しいどころじゃないからしょうがないか。


「羨ましい?」


「羨ましくはない……と言ったら嘘になるが「リールはハルイのこと大好きだもんねー?」黙れニック」


 色素の薄い肌を赤くして可愛らしい。

 クーデレってやつだろうか。


「どうやってこの学園入ったの?」


「ん?……ああ。別におれの家は爵位こそ剥奪されたが、資産はあるし仕事もある。後ろ指刺されることはあるが不自由はない」


「ふーん」


 だから魔王討伐に乗り気じゃなかったのか。確かに命賭ける価値あんまり感じないよねそれじゃあ。


「何を考えているか知らないが、おそらくこれからいくら名誉と実績を積み上げようとおれの家に爵位が返ってくることはないぞ。ホワイダニットだよ先輩。なぜ没落したのか知らないのか?」


「知らないよ」


 ホワイダニットって君今から犯罪でも犯すのか。

 なぜそれがなされたのか、だから確かに間違ってはない、のかなぁ?


「そう。……簡単に言ってしまうと、おれが両親を殺したからだ」


 親殺し。確かにそれは爵位を剥奪される理由になり得るだろう。罪に問われなかったのは幼いからだろうか?


 それを自ら教えてくれるのは、調べればすぐ分かることだからだろう。実際その通りだ。


「それは違うよスティーヴ!リールの持つ力があまりにも有用だったからさ!」


 ニックという名前らしいぬいぐるみが高い声で僕の考えを否定してくる。


「おいニック勝手なことを言うな。……とにかくそういうことだから」


「苦労してるんだねぇ」


「そんな反応ですませる先輩ってどうかしてる」


「ちなみに僕は特待生枠でこの学園に通ってるよ」


「聞いてない。……特待生?すごい。元老院の上と宣うだけはあるな!」


「のたまう言うな」


 リールって見た目に反してすごく話しやすい。でもそう言えば、リエルがリールのこと苦手って言ってたな。……今更だけど2人の名前すごく似てる。なんか関係あったりするのだろうか。


「リールの名前の由来ってなんなの?」


 屋台で肉串を買って食べながら聞く。リールが、僕が肉食べてるのを見てドン引きした顔をしている。ああ、屋台飯食ってるから?まあ無視で。売ってるもん食って何が悪いんだよ。

 僕がガン無視していると顰め面をしながら僕の問に答える。


「親が魔王にあやかってつけたんだ」


 直前の顔があれだから分かりにくいけど嫌そう。そりゃそうか。一応人類の敵である魔王由来の名前とか何考えてつけてんだよって話だよね。

 なるほど。リエルが魔王だと示すヒントみたいな感じなのかな?


「魔王信仰ってやつ?災害を信仰するのってまあまあ聞くよね。名前の由来にするのはあんまり聞かないけど」


 すぐ思いつくのだとポセイドンとか。暴れないよう信仰するんだよね。


「……かもな。魔王を讃えることで魔王からの災いを退けようとした、んだといいなぁ……」


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