4-10 充電
「クラス2位、学年2位、おめでとー!」
教室に戻ってお祝いムード。
よし、僕はそろそろ保健室行くか……。
▫
「ベッド貸してください……」
「ええ……ボクもう帰りたいんだけど……」
「ベッド使わせてくれるだけでいいんで」
「そういうわけにはいかないんだよ!クビになる!」
ほ、本気の怒りだ。初めて見た。
「できれば僕もアンナと帰りたいんですよ。もう夜だし外に行ったところで充電できないし。ここ充電にちょうどいいから」
しょうがないので僕も事情を説明してみる。
「充電?………………体力の話?」
「そうだよ」
センキュー僕。さっき精神的疲労がたまりすぎていらんこと言ってた僕をフォローしてくれて!
「ハルイとの関係ってどうなったんですか?」
ベッドに入りながら聞いてみる。
さながら修学旅行で隣に寝る友人に対するテンションで。まあ実際の僕は修学旅行で布団に入った瞬間即寝たんだけど。
「どうもなってないよ!?生徒との恋愛は良くないって言ったのスティーヴだよね!?」
「僕、恋愛だなんて一言も言ってませんけど」
「…………」
無言は肯定の意と取るがよろしいだろうか。
「分かるか僕「うん」」
怪しげな物音が聞こえる。
「どうした?」
ナイフを持った男が保健室に入ってくる。
「m-23」
頭を撃ち抜いた。すぐ時間を巻き戻し、飛び蹴りを食らわせて気絶させる。
「拘束してください先生」
「あ、はい」
▫
「最近こうやってナイフを持って生徒や先生を襲う事案が増えてきててね……大抵は魔法で対応可能で今のところ大きな被害は出ていないけれどいつ出るか分からない」
「ふーん」
男をつつく。年齢的に生徒ではなさそうだ。
「全部別人がやってるんですか?」
「そうなんだよ」
持っていたナイフを目からビームを出して焼き尽くす。
「刀と違って簡単に破壊できますね」
「な、なに?それ?」
そう言えば目からビームは先生の前で初めて使ったな。
「秘密です☆」
「そ、そう」
無理やり納得してくれるらしい。優しい。
「最近よく聞く呪術による犯行なんですかね?」
「十中八九そうだって、ハルイは言ってたね」
「その、ハルイなんですけど、怪しいと思いませんか?」
「え?」
「だって現状呪いのかかった武器を壊せるのはハルイだけ。人に言ってないこともあるようだし、何より急に現れたお姫様なんて怪しいと思いませんか?」
まあ僕はメタ的にハルイじゃないって知ってるんだけどさ。コンシューマーとかならともかく、継続的に課金が求められるソシャゲで主人公が犯人オチは悪い意味で伝説になりそう。
「そうかもね。でもボクはハルイを疑う気にはなれないな」
「なんで?」
「なんとなく?」
「惚れた弱みとかじゃないんです?」
「そうかも……」
「ええ……」
先生は良くも悪くもブレないな。
ハルイが本当に犯人でも全力で庇いそうだ。
「まあハルイは犯人じゃありませんよ、僕が保証します」
「えっ。さっきの問いかけなんだったの?」
「ノリです」
「ノリ!?!?」
「いいじゃないですか。生徒の可愛い戯れですよ」
「可愛くないけど!?」
「それより先生、この男どうするんですか」
「憲兵に突き出すよ」
「先生がちゃんとした大人で感激です、僕」
「なんだと思ってんのさ」




