4-4 護衛
「どうしたの?グレイ」
「いえ……監視対象が増えて参ってるだけです……」
いつもハルイとついでに僕を見張っているグレイが机に思いっきり頭を伏せていたので聞いてみたらそんな答えが返ってきた。
「結局グレイって枢密院から派遣されてるってことでいいの?」
「いいです……」
「飛び級してるのすごいよ」
「飛び級より特待生の方が難易度高いですよ」
「そうなんだ……」
だから先生がちょっと変なこと言ってたのか。でも先生はグレイよりも年齢下で入ってたっぽいし事情違う気もするけど。
「そういや君って何歳なの?」
「13歳です」
「へー。……ん?じゃ2個下?」
「ええ。魔王監視のために2年ズラしてるイメージです」
「なるほどね」
2年先の勉強してるってだけ聞くと、確かにそれくらいならザラにいるよなという気分。塾でもいいし、中高一貫校もそんな感じだって聞くし。
ふわふわの黒髪に大きい紺色の目。西洋人と東洋人のハーフみたいな顔。ハイライト消えてる鋭い目つき。……派手じゃないけどよく見たら可愛いなグレイ。この感じだと身長伸びなさそうなのも個人的にポイント高め。
「監視対象増えたってのは?」
「あなたも監視対象だってこと忘れないでくださいよ」
「はは、監視されたところで僕を止められるわけないし」
「……。ですね。監視対象っていうのは中等部2年のリールです」
ため息をついて僕に教えてくれる。
それを僕に教えて大丈夫なのだろうか。
「どうせ元老院の方にも共有するつもりだったので。というかスティーヴさんが聞いたんでしょう」
「ありがとう。リールってリール・フィグラシュタイン?」
「知ってるんですか?」
「うん。2年前の魔王討伐計画の時に候補者リストに載ってたんだよねー。断られちゃったけど」
「それ俺知らないですよ。元老院は独断行動をやめてください」
「僕に言われても」
元老院に一応所属してるのバレてる。どこからバレたんだ。アンナとその家族に知られたくないので僕の存在は秘匿してもらうよう頼んだはずなんだけど。
「そのリールがどうしたのさ」
「ハルイ様の監視が俺の今の最重要任務なんですが、昨日監視中にハルイ様リールと接触しまして」
攻略キャラだしどこかで接触すると思ってたが昨日だったか。
「俺と目が合った瞬間追えなくなったんですよ!それを本部に伝えたらリールも監視するようにって!ここ高等部ですよ!?どうやって監視しろと!?」
「大変だねぇ」
そう言えばリールってそうやってこの学園に通ってるんだろう。爵位は持ってないはず。多分特待生でもないよな?ダニエルと属性被っちゃうし。
「僕の機能を1部貸そうか?リールは僕もタグ付けてるし視点分ければ監視できると思うよ」
5人まで監視可能。アンナは絶対に外せない、アプリコットもほしい、目離したらすぐ死ぬダニエルは確定としてあと1人どうしようと思っていたが、グレイに貸してあげよう。もちろんハルイも監視している。あんまり見れてないけど。ハルイはグレイが守ってくれるだろうからよほどの事がない限り大丈夫……バドエン……いや大丈夫なはず……。
今ハルイは仲良くなったらしいカトリーヌ子爵令嬢と楽しそうに談笑している。
僕はそれを横目で見ながら腕の一部を机の下でかぽっと外して目的のパーツを取り出す。
「なんですかそれ」
「見た目どんな感じが良い?アメピン?」
僕が手で揉むとアメピンの形に。
「なんですかそれ」
「ネクタイピンでいっか。せっかくだしドラゴンにしてあげよう」
「ドラゴンはやめてください。クマとかにしてください」
「ええ〜」




