4-3 見た目の一致②
「ダニエルー」
「どうしたんだハルイ」
どうやらダニエルとハルイは既知の仲らしい。幼なじみというやつだろうか。ダニエルに聞けばゲーム開始前の主人公を見つけられたのかもしれないが、今更かな。
「ようダニエルくん、ハルイちゃん」
そんな仲のいい2人を妨害するのが、うん、魔王ことリエルだった。ダニエルの好みを考慮してか今は女子生徒の姿になっている。肩に手を回していて近い。
よく見る光景だ。
……1つ言っていいかな?
お前が!ネトrお邪魔キャラポジなのかよ!!
乙女ゲームにおいてある種のヘイトタンクポジであろうキャラなのかお前。……なんかうっすら思い出してきたな。性別不詳キャラで基本立ち絵はデカイ女だけど、男状態の立ち絵を出して話題になったとか。なんで実装してくれないんだよ〜って友人が床を転げ回っていた。大学構内で奇行するのやめろ。
僕が郷愁に浸りながらリエルを見ていたらウインクされた。どういう感情?
「君もクロスワードが気になるのか?」
「うぇ……俺そういえば用事あったんだった。ハルイちゃん今日も最高に可愛いぜ、またな!」
クロスワードに拒否反応。体密着させるチャンスじゃないのか。とか思ってたらダニエルがハルイと仲良くクロスワードを解き始めた。ミニゲームみたいな感じだろうか。
「スティーヴ〜」
そしてリエルは僕に話しかけに来ると。
「あのさぁ。クロスワードくらいすればいいじゃん」
「文字列見てると頭痛くなんだよ」
「ええ……」
悪魔だからだろうか。
この話題を掘り下げるのはやめておこう。
「ハルイちゃんだろ?」
「何が?」
「ほら、ループさせてるかもしれないってさ」
「ああ……」
そういえばリエルに言ってたっけそんなことも。
「ハルイは僕の救世主候補だってさ」
「?」
「まあ1回ループして判断だねぇ。現状だとよく分からないや」
「?」
「……。僕は身長高すぎるから正直ない派なんだけど僕的にはありらしい「身長の高さとかどうでも良くないか。大切なのは救世主足りえるかだ」そうだけどさ」
「全然話についていけないがそうなんだな」
そうは言うがリエルはなにか考え込むように、顎に手を当てた。
「うん。今何も分かってないからね!で、僕になんの用?」
「親友が話しかけるのに理由が必要か?」
「いらないね」
親友認識してくれるのはありがたい。
光を吸収するような黒髪をポニテにしているリエルを眺める。髪の長さも思いのままなんだろうな。
「そういえば今の俺の見た目かなり安定してるだろ?どう?」
ニヤッと笑って僕にそう言う。実際女形態も手に入れたリエルはもう怖いもの無しだった。学園長まで掌握したらしくてちょっと引く。
身長は180前後、スタイル良くグラマラスな体型、彫刻のような顔に浮かぶ親しみやすい表情に気さくな言動。まあモテるモテる。前からモテたがシェア拡大した分単純計算して倍モテてる気がする。皆の理想の性別になれる学園のアイドルってことで僕も気軽に話せなくなってしまった。物理的に人の壁で阻まれる。
「僕の言った通り、より強力な悪魔になってるようで何よりだ」
「えーそれだけー?」
「うっさいな。目潰しするよ」
好みじゃないんだよな……。




