4-2 見た目の一致
「……」
「いつもありがとうねー」
ということで保健室だ。運んでくれたケイトにお礼を言って別れる。
「何そのオシャレメガネ」
「気づいた?どう?似合ってない?」
「似合ってるけど……」
とうとうゲームのデザインと完全に一致してしまった。
これで攻略キャラ4人、全員確定したことになる。
ダニエル・シューマン、特待生で名探偵を名乗る血気盛んな若者。
レイヴン・クロウラー、男爵家の長男で学園の人気者、ちょっと暗い影あり。
リール・フィグラシュタイン、多分主人公より2つ下?で呪術師だっけ。
そんで目の前の男、テオドロス・ハリソン。
ダニエル以外やばそうなキャラしかいないんだけど主人公は無事なんだろうか。無事じゃないんだろうなぁ……。バッドエンド多いのが売りだって言ってたし……。
「先生って何歳なの?」
「ボク?ボクは22歳だよ」
「なん……だと?」
若いとは思ってたけど思った以上に若い!
初めて会った時は19歳だったのか。
「ボクは10歳の時にこの学園の高等部に編入したんだ。天才なんだよ」
「すご」
「いやあのツッコミとかは?シエル……は置いといて幼い頃から英才教育を叩き込まれてきた殿下と張り合える君もすごいんだからね?」
僕と張り合える殿下がすごいんだぞ。
「シエルはあれなんなんですかね」
満点以外取ってるの見た事ないぞ。それこそ先生みたいに飛び級も余裕だろうに。
同年代との交流のために在籍してるんだろうエリックとか、アンナと通うために年齢詐称してねじ込んだ僕に圧勝しているんだよなシエル……。
「もうそういうマシンだよね。彼女と話したことある?」
「ありませんよ。成績上位者はクラスが別れますし」
ダニエルと同じクラスになれたの奇跡的なんだぞ結構。
そんなに成績良くないって本人は言ってたけど20番以内にいつも入ってることを僕は知っている。
「表情も変わらないし無機質だし計算異常に速いし」
「僕のことじゃないですか」
「え?」
「え?」
……シエルは人形である僕より人形らしいってことかな?
「先生人のこと悪く言ったりするんですね、なんかガッカリです」
「褒めてる褒めてる。褒めてるって!もちろんシエルも!」
「どうかな」
先生で遊ぶの楽しいな。これ主人公来たらやれなくなると思うとちょっと寂しいけど仕方ないか。
「……人来てますよ、先生。僕はここから聞き耳立ててるんでじゃんじゃん話しちゃってください」
「聞き耳を立てるのやめようね」
「はは」
先生が扉を開ける。
「どうしました?」
そう聞いた後、その女子生徒の外見を認識して固まる。分かるぞー。なんか覇気出てるもんな。相応の幼さはあるんだけど王になるものの風格があると言うか。
「えーと保健室の先生は……」
「ボクだけど」
「え!?」
そりゃそうなるよね。分かる分かる。
僕が初めて見た時もなんだこのチャラ男はって思ったもん。今はもっと派手になってるし。
「ハルイです。気分が悪くてベッドを使わせてもらいに来ました」
「……編入初日だもんね。疲れて当然だよ。ほら横になって」
僕の隣のベッドでハルイ?が横になる。
「なんでもボクに相談してね」
「……」
当然だが警戒されている。口説きたいならもっと害なさそうな見た目にした方が良いと思うんだよ。身体ほっそいしタレ目だし上手くやればゆるふわ系になれそうじゃん?……何言ってんだろ僕。
そういう所が先生の隙であり愛嬌なのだろうかなんて思いながら寝返りを打つ。
「隣お邪魔してます」
「お、お気遣いなく〜(裏声)」
僕に話しかけてくるんじゃねぇ!ループの条件が分からない現状会話するのもリスクなんだぞ。僕は平和に行く。戦わず話さず行動せず平穏を享受するんだ。
「ベッドはいつでも開いてるし疲れたらまた来ていいよ。おやすみ」
先生が怪しげなお香を焚いていると思ったらハルイがすやすやと寝始めた。……。事案かな?
「待って!?そんな目で見ないで!?」
「なんで大声出しても起きないんですかおかしいでしょ」
「それだけ疲れてたってことさ」
「ほんとぉ?」
「本当ほんと!ちゃんと合法だよ?王宮でも使われてるし」
「ふうん?」
王宮で使われてるは果たして合法の裏付けになるのだろうか。
「しっかり疲れが取れるんだよ〜ボクも辛い時は使う」
「へー」
ラベンダーみたいなもんなのかな。にしては強力すぎる気もするけど。僕には一切効いてないのでなんとも言い難い。まあ僕睡眠とかいらないし。
「だいたい本当にその気なら君の前でしないよ。前ワクワクしながら少年を拷問してたの覚えてるんだからね」
「ええ……」
僕がワクワクしてたのかな?




