3-10 ミステリーハウス
前回のあらすじ:ケイトが死ぬ
蘇生で使う燃料はほぼないためまだ余裕はあるっちゃあるのだが、あまりにも使いすぎていてケイトの精神状態が不安だ。
「……」
「すみません?だけどコツが掴めた?はあ……」
いい笑顔だった。
精神面での問題はとくに無さそうだ。
実際言う通り、動きが機敏になっている気がする。
古代生物というよりゴーストがひっきりなしに襲って来るのだが、その動きを学習したのか避けるのが上手い。ゴーストを見て僕が内心首を捻っている。……最後に見たの何年前?「うーん多分500年くらい?」ああそう。というかそんなに続いてるんだこの国……。
「次危なかったら、僕が介入するからね」
「……」
ありがとうと言われている。
お礼を言われる筋合いは無いので、鼻を鳴らしてそっぽをむく。
まだ道は長い。
……迷路か何かか?カリフォルニアのミステリーハウスってこんな感じなんかな。
一応僕の解析能力のおかげで目的地が分かるのはありがたいけど。
扉を開ける。
「ドラゴンゾンビ!」
くっそ、ドラゴンはゾンビじゃない生きてる姿の個体とご対面したかった。
今の時代あんまりドラゴンいないらしいから。ドラゴンって人類の夢だよね、ほら宝石を集めるファンタジー小説とか小学生の必読書でしょ。
でもドラゴンゾンビもかっこいいな。腐臭酷いから嗅覚はカットで。扉開ける前は一切匂いしなかったから密閉性能高いんだろうな、すごい。さすが辺境伯。ほんとか?
「……!」
ケイトが素手で殴りに行った。当然のように毒のブレスで死んだ。
あのさぁ!普通もうちょっと躊躇するよね!こんなアクセルベタ踏みなの君だけいやダニエルとかいたな。目の前で死んでくれるだけ全然ケイトの方がいいや。えらい。蘇生させる。
「ほら武器あげるから」
「……」
ケイトが頭を下げた後、また突撃しに行った。
棍棒ってお前……。「お似合いだよ」そうかなぁ。
「がんばれー」
▫
やっと倒せたか。
次の扉を開けると、大きい箱があった。
僕が当然のように破壊する。
中にはちょうど人くらいの大きさの人形の胴体パーツが置かれていた。追加装備ってこれか。何に使うんだろ。
「さぁ、帰ろうか」
「……」
「名残惜しいって?また来ればいい。気が向いたら連れて来るよ」
とりあえず一時的に天井をぶち破って空から見下ろす。もちろんケイトを抱いて。
僕が昔見た時と様相が違うな、と首を捻っている。まあ詳しいことは元老院の人に聞けばいいじゃないか。辺境伯の屋敷って今どうなってます?ってね。なんなら領主変わってるかもよ。
「……」
「分かったよ。条件は?」
次またこういう用事があれば呼んでほしいらしい。全力で力になるとか。
「……」
「なるほどね。いいよ」
ケイトから相談事があれば、協力するかはさておき聞いてほしいらしい。いい条件だね。
「……」
「え?……。まあ気が向いたらね」
◇◇
この感覚には覚えがある。
またループしたのだ。
僕はここまで何回かやり直している。僕の方の記憶は了承を取って消させてもらっている。僕が知っているのだから、ランダム性が欲しいのだ。今回は追加装備を取りに行ってみた。
魔王を途中で何回か殺して確認した。
魔王はゲームの主要人物だと思うと僕は言っていた。しかし魔王が死んでもループは開始しない。そもそも主要人物ではないのか?
金目の男と灰の髪の少年。特に注意しろと僕が言っていた2人にはとりあえず生死くらいは分かるよう印を付けた。今回はどちらも死んでいない。
ということは、ここ何回かのループで共通するさっきの会話。
世界を滅ぼすかもしれないと約束したからか?
……そんなわけないだろ。今まで僕が起因となってループしたことなんて一度もない。
条件が分からない。
まさしく詰んだ、という言葉がふさわしいのかもしれない。




