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乙女ゲームのセーブ&ロードくんがあだ名のモブ?に転生したので平和に暮らしたい  作者: 神谷洸希
中等部3年生

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43/70

3-9 準備

「……」


「へーあの小説、ボードゲームも出てるんだ。これがそれ?学校に持ってきていいの?こっそりだからセーフ?」


 ケイトとはクラスが一緒なのでそこそこ話すしそこそこ仲良くなった。

 思った以上にケイトとは気が合った。


 どうやら好きなことになるとしゃべり……はしないけど身振り手振りで意志を伝えてきて可愛い。


 僕が描いてる絵を覗き込んでくる。


「これはねー、僕が昔やってたゲームを再現したものだよ一からドット?打ち込んでみた」


 それを見てケイトが身振り手振りで伝えてくる。解像度がとても低いです。それを良しとする絵画技法なのでしょうか?って感じのことをケイトが言ってる。


「おおー」


 僕本体の情報蓄積と解析能力のおかげか何言ってるか詳しく分かるようになった。


 わざわざ四角で塗りすすめた甲斐があるというもの。

 ドット絵初心者なのになかなかいい目の付け所なのでは。


 ケイトは僕が選ぶ救世主候補にふさわしいようだ。

 とりあえず一旦、ホワイトボードを取り出してメモっておく。僕がええ……って反応をしているが無視で。


「あの小説の落ちは僕が昔に話したみたいなVRMMO説もある気がしてきた?……確かにそういう見方もあるか」


 別世界から転生した主人公が世界を救うっていう前世だと割と見る感じの類型だがこの世界では斬新な設定だ。本が気軽に読めるのはありがたいなと思ったり。


 さてここまで出揃ったのは。終末論説、異世界への世界間の移動を経由した魂の移動説、VRMMO説…いろいろ揃ってきたな。


「とても有意義だったよ、ありがとう。では僕はもう帰る。追加装備を揃えなくてはいけないから」


 回収しきってないらしいのでゲーム始まる前に集めときたいんだよね。

 そろそろ文化祭あるらしいけど僕は昨年と同じくサボるよ。……まあ昨年はアンナが生徒会長だったから学外でちょっとは仕事手伝ったけど。


「ついてく?……どうして?いやいいけどね」


「(暇なんですよ)」


「なるほど。連れていってもいいのか?」


 僕に聞く。


「この状況で僕に勝ち目が無いよ。だからしょうがないね。連れていく以上僕がしっかり警戒はさせてもらうけど」


 そういうことになった。

 ……勝ち目ないって何?室内じゃ僕を片手で運べるケイトに勝てないって?そうだね。


「……1回寄るところあるから寄ってくるよ。また迎えに来る」



 ◽︎



「アンナー」


「どうしたの?」


 書類仕事を片付けている最中らしい。


「文化祭の準備手伝えないけどいい?」


「……私も引き継ぎは終わったしやることはほとんどない、はず、だからいいよ!」


「ありがとう」



 ◽︎



「迎えに来たよ」


「……」


「早かったねって?そりゃあ、アンナに行く許可もらいに行っただけだからね」


 次の目的地をどこにするか考える。

 正直もう世界を破壊して再編できちゃうくらい装備揃ってんだよな。僕がんなりすぎだろ。過剰火力だよ。

 人類を滅ぼせるアプリコットを倒すために作られたのが僕だから、僕は世界も滅ぼせるってね。……どう考えてもいらないよなぁこの火力。


 とはいえゲーム本編で何が起こるかは分からない。宇宙人が攻めてきたりするかも。ってことでできる限りの事象に対応できるよう全てを回収しきりたいところだ。


「そうだ、ケイトはなんかほしいものある?」


「……」


「倒すべき敵がほしい?物騒だな……」


 ちょくちょく話すようになったから分かってきたけど、ケイトはあのバーサークみたいな弟とあまり変わらないくらい戦意が高い。修羅の国で生まれたの?


「しかし人生に彩りが欲しいという気持ちは僕にもよく分かる。いいだろう、次の目的地はクリッジ辺境伯領だ」


 古代生物が小型化されて保存してあるとか僕が言ってる。

 古代龍やドラゴンに白狼とかいるらしい。確かにワクワクするラインナップ。

 これらが襲ってくるんなら、ケイトも大満足なはずだろう。


「さあ、僕の背に乗りたまえ。この外部装置の核融合炉による高エネルギーで空だって飛んでみせる「やめろや」……冗談だよ?」


 僕に核融合炉なんてないよな!?僕が話した情報を学習してるらしい。このままだと本当に作りかねないぞ。しっかり危険性を説明して止めないと……。


「ほら、扉だ。この中をくぐれば、辺境伯領だよ」


 SFもののハリウッド映画にありそうな見た目の扉を、手をかざして出現させる。


 ホントに僕ってば万能。


 扉をくぐると入りくねった廊下が続く屋敷の中にいた。


 不審者を見つけるため配置されているのか真っ白な蝶々がサイちゃんの周りを飛んでいる。


「(瞬きする度に色と模様が変わる)」


 ケイトが感心している。

 ああ、僕は瞬きしていないから……瞬きをする。

 綺麗な紫色になった。


「すごい、オオムラサキそっくり!」


「……」


「ケイト、君に選ばせてあげる」


 安全なルートか、危険なルートどっちがいい?



 ◽︎



「あのさ…ちょっと死にすぎじゃない??いくら僕が高性能だからって限界があるんだよ?」



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