表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームのセーブ&ロードくんがあだ名のモブ?に転生したので平和に暮らしたい  作者: 神谷洸希
中等部3年生

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/70

???

 私は部屋をたくさん持っている。

 昆虫部屋、蜘蛛部屋、鳥部屋、魚部屋、サボテン部屋、樹木部屋…そうして、人間部屋。


 私の行動は、家の評判に関わるので生きている人間はいない。

 たまにスラム街に行って、新鮮な死体を買っている。


 眺める。


 私は血を操れる。研究者からすれば垂涎の力だ。

 ……私は研究者というわけでもないので、乾燥させミイラにしたりして保管するのだった。


 他の部屋と比べてもかなり手間と時間をかけている。

 それなりに執着もある。


 人間のことはよく知っている。

 よく知っているからこそ、もっと知りたい。


 昔を思い出す。


 

 ───────



 私が他人に違和感を覚えたのは4つの頃だった。


 幼い子供というのは、他人を見て成長する。

 そうして私も他人を参考にしながら、振る舞いを身につけていく。


 子供らしい、悲しみ、怒り、好悪、その他にも色々。


 他の子供が誰々を嫌いだ、好きだと言うものだから、私もそれを参考にして、好悪を決めていた。


 ある時気がついた。

 私の嫌い、は他人にとっての嫌いではないということに。

 人というのは、嫌いな人間には大損をしてもらいたいものらしい。

 私にそのような感情は全くない。

 人というのは、好きな人間には得をしてもらいたいものらしい。

 私にそのような感情は全くない。


 私は人間というものが全く理解できなくなって、そうして怖くなった。

 しかし、距離をとることはしなかった。今まで通り、そのまま。

 距離をとるという選択肢すら浮かばなかった。

 それがおそらく私の欠陥だったのかもしれない。


 私の興味関心は手頃にいた蟻になった。

 しかしこれは別におかしいことではなかった。

 幼い子供なんて蟻を潰して遊ぶものだから。

 少し違うことがあるとすれば、それは僕が蟻の生態に興味を持っていたことくらい……だろうか。


 そうして私は成長して家庭教師がついた。

 宿題で虫を調べる研究があった。

 兄は悲鳴をあげて逃げていく。

 私はため息をついて、2行だけなら写していいよ。改変はしっかりしてね。と言ったものだ。


 先生からは一切褒められなかった。

 しかし、私の熱意に気がついた母が、図鑑を買ってくれた。博物館に連れて行ってくれた。


 いくつかの博物館を回っているうちに、ミイラを見た。

 図書館に行って資料をあさった。

 先生に聞いて解剖書の存在を知った。図書館に行って読んだ。


 ある時、私を友達と言ってくれる女の子を見た時、気がついた。

 筋肉の動き、関節の動きに。骨の形に。

 頭蓋骨の穴に。


 ───────この時ようやく初めて、私は他人に興味を持ったのかもしれなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ