3-3 友達の友達?紹介
「まず、彼が同行者1人目のマーヴィン」
何故か機嫌の良い魔王が海に連れていくハーレムメンバーを紹介してくれることになった。
今までなんの説明もなかったのに。あと初っ端から男か……。
「鼻からそうめん」
腰を中腰にして、目を白目にしながら鼻の下に細い棒を当てている。
「これはひどい」
僕がそう言うと、細い棒をいそいそ閉まって真面目な顔になった。
メガネの似合うイケメンなのになぁ。
「そこの魔王のせいだって思っただろ?残念でした、元からこんなんだ。あ、お前のことはよく聞いてるから安心してくれよな、仲良くしようぜ〜」
「うーむ……」
何を聞いたんだよ。
「マーヴィンは宰相の息子で公爵家長男、知っての通りこのクラスの委員長で定期テスト10位以内常連だ。お前の次に頭いいんじゃないか?……こんなんだけど」
「こんなん言うな」
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「コレが2人目のクリス」
くせ毛と色素の薄さが特徴な高身長イケメン……少しおどおどしているが、これだけイケメンだったらむしろプラス評価に繋がるだろう、しかし。
「……髪の毛燃やして先生に怒られてたアホじゃないか」
1本とかじゃなく普通に束で。しかも床で拾って集めたとか。怖えよ。
「…辛辣だね……」
「知っての通り高等部の生徒会長な。……こんなんだけど」
「うう……僕みたいなヤツが生徒会長でごめんなさい……」
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「これどういう選別?」
「真っ当にかっこいいやつ選んだらお前が嫌かなって」
「……」
まあそりゃアンナの初恋泥棒とかされたら僕もキレるけど。
「普通に女の子選べばいいじゃん」
「女の子増やしたら俺そっちのけで話に行くだろスティーヴ」
「……」
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「この人も来るって」
「別に知らない仲じゃないし紹介してくれなくても良かったのに」
一応聞くけどリエルとは関係ない別口だよな?リエルを見たら俺とは無関係だぞというハンドサインをもらった。良かった。そうじゃなかったら外交問題に発展しかねない。
「……何の用だ?要件はさっさと言え」
3人目は王子様ことエリックだった。
コイツも高身長イケメンだ。ヒロインが確か170cmくらいあるらしいからそれに合わせてあるんだろうとか前は思っていた。が、攻略キャラか怪しくなってきた今じゃ関係ない話か。キャラが全然それっぽくないんだよな……。
ちなみになんでヒロインの身長知ってるかと言えばそのゲームをやってた友達が言っていたからである。身長180あるくせに好きなキャラが自分より背高くないと泣き崩れるやつだったから、ヒロインの身長が比較的近くて嬉しいとかなんとか。恋愛感情でゲームやってるんじゃないから!って主張してたけど本当かよと思った僕だ。
「いやぁ、久しぶりだね王子様。前回のテスト結果は僕の方が良かったみたいだけど、勉強しなくていいの?」
「……」
「わあ、王子様キレてんじゃん……」
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「4人目は数学教師のレイズ先生」
今日初めての女の人だ。なるほど女の“子”じゃないからって話?今ってあんまりそういう言い回し良くないんだっけ。
「先生もリエルのハーレムメンバーなの?」
「そうだ」
ええ……。
「魔王よりは年下だからいいんじゃないか?」
いやあ、教員免許を取るための勉強一応してた僕的には教師と生徒の恋愛ってだいぶ拒否感あるよ。
「もういい?」
「ああ、悪い。忙しいのに引き止めて」
「本当よ」
「ご褒美に今日、俺の────」
はい聴覚カットカット。
……う、キスしてる。視覚もカット。
しばらくして、空き教室を見回す。よし、リエルと僕しかいない。
「なかなか新鮮で面白かった、かも?」
「そりゃ良かった。俺も紹介した甲斐があるってもんだ」
海行くの嫌だなぁという気分は増した。
「それから───────」
「どうしたんですか?魔王様」
「……お前」
「呼ばれたから来たんですけど……ああこの方は」
現れた少年はまだあどけない顔をしていた。
身長も僕より低い。
「……どこかで見たことがあるような」
「?とりあえず、俺の監視役のグレイだ」
「あー……」
なんか見たことあると思った。たまーにリエルの近くで見張ってたりしたっけ。元老院が誰か派遣してると言っていたが、この子なのだろうか。
「貴方も俺の監視対象ですよ」
「そうなんだね」
少年が僕をまっすぐ見ながら言う。
元老院とは別口っぽいな。それとも普通に自己判断でバラした?別にどうでもいいか。一人間ごときに負ける僕では無い。
「僕は君のこと敵だと思っていないから困ったことがあったら僕に相談してくれていいよ、特に魔王は僕の敵でもあるしね」




