3-2 消極的
「なあ、せっかくだし海行かない?」
「え、やだ」
いつも通り学校に行って席に座ると、リエルがそんなことを言ってきた。
「そう言えば俺、人間の女性寄りに変身できるようになったぞ」
「なんでこの流れでそれを言うんだよ。行かないから」
そんなに僕水着好きじゃないし。どっちかというとクラシックのメイド服みたいな露出少ない服の方が好き。その方が可愛いと思う。
「関係ねえよ。まだ時間あるよな?ちょっと見て欲しいんだけど」
いつも早めに来るので確かに始業まで時間はある。
「しょうがないな、手短にね」
▫
「どうだ?」
……。2mくらいありそう。
「いやー……」
乙女ゲームのキャラっていうかエロ漫画に出てきそうなキャラみたいな見た目じゃないかこれ。僕の好きな絵師さんがそういうの好きだったから知ってるぞ。巨女好きとか言うんだろ。なんで僕がその絵師さんを好きだったかと言うと、公式身長5mの少女キャラの絵がめちゃくちゃ可愛かったからというただそれだけである。可愛い女の子に為す術なく摘まれるのってなんか良いなあと。
2mくらいありそうな美女見て最初に抱く感想がそれな時点で僕も大概だなんだけどね!
てかよく見たら太ももバキバキじゃね?あの体格が女になったらこうなるのはそりゃそうかという気持ち。
「好きな人は好きだろうけど大衆性求めるならあと20cmくらい身長下げた方がいいと思う」
「冷静な評価だな」
リエルがそう言ってシュルシュルと元の姿に戻っていく。声も変えれるのは器用だ。
「ネスは大喜びだったんだがなぁ」
「好きな人は好きだと思うよ、うん」
ネスが誰かは聞きたくないからいいや。
なんかリエルって本当に人外なんだなと思ったよ僕は。背高い男より背高い女の方が威圧感あるんだな。なんでだろ。
「ちなみにこれってどういう仕組みなの?」
「俺の本体って幻想だから、見た目を弄る→本体も変化するみたいな」
「へー」
僕じゃ真似できなさそうだ。
「見た目って視覚に入る光の反射の屈折を変えてるの?」
「んぅ?よく分からないが、第1段階で肉体操作はできないぞ」
「そう」
応用すれば質量や肌触りは変わらなくとも髪の色くらいは変えれそうな気もする。夢があるかも。
▫
「スティーヴ、海行こう?リエルくんも来るって」
「なんで?」
家に帰ってゴロゴロしていたアンナが急に僕の方を向いたと思ったら海水浴に誘ってきた。
「私達が海行きたいねーって話してたら乗ってきてさ」
リエルとアンナって別クラスじゃなかったかなぁ。まあいいか。
「いいよ」
「本当!?」
僕が承諾するとパッと笑顔になった。
アンナが嬉しそうで僕も嬉しいよ。
「僕は泳がないけどね」
「えー」
肉くらいは焼くよ。バーベキューセット揃えなきゃな。そう言えばこの世界の海ってバーベキューとかしても良いのだろうか。確認しておこう。
「一緒に水着選ぼうね」
「僕泳がないけど」
「いいの!こういうのは雰囲気が大事なんだから!」
「そういうもんかね」
水着、水着なあ。僕のは適当に選べばいいか。




