2-14 ミス
「男?」
服を捲る。薄い。中学生ならそんなもんだろ。スカートを剥ぐ。ボクサーパンツだね。ふむ。
「男の子だね」
「そう言ったよねぇ!?そこまでする必要あった!?」
「まあまあ」
まだ暴れている謎の男子生徒を見る。
「名前は?」
「うるせえ!!離せ!!」
男子生徒は目がキマってるし、なかなか進まないから僕もキレてる。どうしよっかなこれ。
記憶の中のケイトと照らし合わせる。よく似てはいるが……こちらは首にホクロがあるようだ。一応別人ってことかな。なんかちょっと推理ゲームみたいで面白いな。
「双子の兄かなんか?」
アンナに聞いたら知ってたりするかなぁ。
なに?この辺に資料がある?なんで?
あ、あった。生徒の資料が全て載っているファイルだ。なんでこんなもんがここに。
まあいいやケイトケイト……。当然だけどケイトって名前の生徒複数人いる。
ケイト・テイラー、ケイト・トンプソン、ケイト・アレン。とりあえず中等部にいるのはこの3人かな。
「何その資料」
先生のじゃないんかい。
「先生なら見ていいよ」
「いやー……」
多分僕が洗脳やらなんやらで集めたんだろうなぁ。
ダニエルに案内された屋敷は立派だった。この辺に住んでるってことは貴族ではなさそうだけど。置いてあるモニュメント的に成り上がりの商家というわけでもなさそうだった。古い家柄の名家みたいな感じかな。
ケイト・トンプソンが怪しい。父親は隣国から移住してきた資産家で、母親が名家出身のようだ。母親が屋敷を受け継いだと考えればしっくり来る。兄弟の項目、いる。弟が1人。
弟か。男女の双子は一卵性にならないはずなのだからここまで似てるのおかしいと僕は思ってしまうわけだけど、これってゲームだしな。そういうこともあろう。
てか弟はこの学園の生徒じゃないんだ。名前までは載ってないな。
「なんか洗脳かかってたりするんです?」
「ないよ」
「ないのか……」
正気でこれか……。
「ケイトの弟、なんで僕を襲ってきたんだ?」
「外せ!!」
激しく動いているせいで拘束部分が傷ついて血が出ている。会話できなそう。
「ダニエルに矢文を送ったりした?」
「黄金色の瞳の男か!!送った!!死ね!!」
「はあ」
爆速解決。
とりあえず憲兵に突き出すか。
「ポストに入れた爆薬は?」
「知らん!!ぶっ殺すぞ!!」
知らないらしい。
「なんで矢文送ったの?」
「ケイトに近づくやつは!!全員殺す!!」
「あ、はい」
爆薬とは別口……。ケイトとの方にも確認取りたいけどこのヤバいやつは依頼の内容とは関係ない感じかも。
「とりあえず明日ケイトを呼んできます。それまで見張っといてください」
「……え!?やだよ!?」
僕は窓から空へ飛んだ───────。
▫
「アンナー!」
「スティーヴ!……なんでここに?」
「ちょっと学園に用事があってさ。アンナが見えたからつい来ちゃった」
しばらくゆっくり話す機会もなかったしちょうどいいかなって。
「スティーヴさん?スティーヴさんだ。初めて見た」
アンナと一緒に帰っていた女子生徒が僕を見てニヤニヤしている。多分生徒会の人間だと思うが先輩か同級生かどっちだろ。それとも1年生?
「アンナ先輩のボーイフレンドですよね?」
1年生だった。
「……そうだよ?」
「ち、違うよ。もうスティーヴ!」
慌てるアンナが可愛い。
「冗談はさておき、この子はアンナの後輩?」
「うん。庶務で入ってきたんだ」
「エリス・クロウラーです!エリちゃんって呼んでください♡」
「エリス、アンナは良い先輩してるかい?」
「華麗にスルー!……スティーヴさん、アンナ先輩のお父さんみたいですね?もちろん良い先輩ですよ」
「さすがアンナ」
クロウラー?どっかで聞いたことある気が……。
記憶を参照していく。レイヴン・クロウラー。リエルの襲撃者。
「もしかしてレイヴンの妹?」
「お、やっぱ知ってますかー。兄様有名人ですもんね」
そうなんだ……。
「アンナは今日も可愛いね」
「急に何さ。……ん、ありがと」




