2-13 尋問
「な、何?え?」
幸いなことに保健室の先生はまだ学校にいた。部活動もあるしそりゃそうか。
僕が亜光速でかっ飛ばして壁破壊して着地したので驚いているようだ。……同じことあったら僕だって驚く。時間巻き戻して直したから許して。
「この女が僕を襲ってきたから叩き潰したんだ。意識を失わせたまま回復させろ」
「……。……随分とまあ派手にやったね」
「できないとは言わせないよ、国王の呪いを治したんだろ?君」
知らない情報をサラッと出すのやめてくれないか僕。
「全く誰から聞いたのかな?……そう言えばスティーヴくんって貿易商やってるんだっけ。そりゃ知ってるかー」
そう言えば今日は金髪か。ちょっと前まで彼女のために真面目になるとか言って髪焦げ茶にしてたのに。焦げ茶に染めて何が真面目なのかよく分からないけど濃い色の髪の方が頭良く見えるとかあるのかね?それを金髪にしたってことは彼女にフられたんかな。耳のピアスも増えた気がする。
「お手伝いだけですよ。あのーそれで、できそうですか?」
「できるよ。さっきスティーヴくんが言ったんじゃないか」
「あはは」
僕じゃない方の僕がね!
「ボク思うんだけどさ、縛ってから回復すればいいんじゃないの?」
「それは……そうですね!さすがです先生」
「裏表使い分けるの怖いからやめてねー」
奥のベッドに誘導される。
「ポチッとな」
先生がボタンを押すと、ベッドから手足を拘束するための器具がゴゴゴゴと生えてきた。ドン引きだよ。
「違うよ?暴れる生徒とかもいるからその拘束のためにあるんだよ?」
「そうですか」
「信じてないな!?」
そりゃ彼女の食事は全部管理したいとか地下室に閉じ込めたいとか言ってるヤツを信じるわけない。庇護欲が行き過ぎて全部管理したくなるんだろうし拘束くらい全然してそうって言うか。
ここにこう嵌めればいいのかな。
「合ってます?」
「……スティーヴくんも使い慣れてない?」
「先生ほどじゃありませんよ」
使い慣れてるって自白したぞこいつ!!
僕?僕は……昔やったゲームでシュミレーションみたいなことしたことあるから。
「じゃ、お願いします」
「うん。意識は戻していいんだよね」
「はい、話を聞きたいので。暴れるようなら沈静化してください」
それにしてもこの女子生徒もこの学園の生徒だろうに、僕が嘘ついてる可能性とかは考えないのだろうか。
「そういや聞いてなかったんだけど、その禍々しい刀何?」
「この女子生徒が持っていた物です。触るのはオススメしませんよ。どうやら持つと所持者の加虐性が増すようなので」
「触んないよ。てか怖っ、呪いの武器じゃん」
「奇遇ですね。僕も同じ感想です」
折って変色していたはずの手足の色がみるみる元に戻っていく。只者じゃないと思っていたがここまでとは。なんで保健室の先生してるんだろ。
「治ったよー」
「ありがとうございます」
回復した女子生徒が目を開ける、のでその目の前に僕は指を突きつけた。
「下手な動きしたら君の目に指突っ込んでかき混ぜるから」
回復できる先生も横にいることだしそれくらいはいい、のか?ちょっと判断つかない。
「君はケイトなの?」
そう聞いた瞬間僕に襲いかかろうともがき始めた。拘束があるからガタガタ言っててなんか嫌。
「えいっ」
本当に指突っ込むやつがあるか!うえぇ、見てるだけで痛い。
「“再生”」
そうか。すぐ巻き戻せばいいんだ。
「僕が怖がっちゃうだろ?大人しくしててよ」
「……あまりにもノータイムだったから口挟めなかったんだけどさ」
先生がドン引き顔で椅子から立って僕に近づいてくる。あれ見た後でもすぐ動けるのは医療従事者だからだろうか。
「その子男の子だからケイト?って子とは別人なんじゃないかなぁ?」




