2-4 2人目
どうやら彼は、この家に執着しているようなので、家を持ち運べる方法を伝授してあげた。
これで1人、協力者を手に入れたことになるようだ。
「次はー、うーんと聖者サーノス?」
聖者とは大仰な称号。聖人だったら前世ではそこそこ見た気がする。ほら漢文とか。儒学の上での最高の褒め言葉だっけ。あと、キリスト教でも重要な意味を持つ言葉だ。レプリカだけど聖人の絵、たくさん見たなぁ。勉強になった。
聖者、聖者の数字、表記揺れ。
こうやって思考が外にズレるあたりやっぱり僕にスカウトは向いていない。
「聖者か。聖者、強いのは間違いないのだろうな。僕はこういう手合いはあまり好きじゃない。「聖者のことが好きじゃないなんてまるで異教徒みたいだ。異端審問官に処刑されてしまうかもね?僕はこういうのは意外と好きだよ」
独り言をつぶやきながら歩く。
暇つぶしにはちょうどいい。
「僕はいろいろな物に関心を持っていたんだな。「それって自画自賛みたいだ。実際そうなんだけど。「そういや元老院の責任者はあの不敵な女じゃないはずだよな?「任期制らしいし、そうだね。気の弱そうなおじさんだった気がする。「おじさんとは言ったって僕よりずっと若いがな!」
独り言をつぶやいていく。
「わ」
180cm強くらいの人が目の前にいる。身長よりも大きく見えるのは厚みもあるからだろうか。よく鍛えられている。
さっきの独り言を聞かれたかもな。
「あなたがサーノスかな?」
「はい。私がサーノスですけど……」
良かった。このリストはかなり正確なようだ。
僕のことを不審がる様子もないのでさっきの独り言を聞かれたわけでもないらしい。
「ちょうど良かった。魔王討伐に協力してくれないかい?」
「いいですよ」
りょ、了承された。さっきのが嘘みたいにあっさり終わった。こちらとしては楽でいいけれど。
じゃあ個人的に気になったこと聞こうかな。
「君は二面性があるのかい?」
サーノスに聞く。
資料にそう書いてあればそりゃ気になるというもの。
「いえ、無いと思いますが」
「ええ?」
おかしいな。リストに書いてある内容と食い違うぞ。
二面性あり。一見すると穏やかな騎士に見えるが、戦闘時には……。とここには書いてあるんだけど。
いや続きも書いて欲しかったな。そこ溜める必要ないだろ。内心でツッコミする。
戦闘時がどうしたんだよ。気になるじゃないか。
「君はなんでこんなところにいるんだい?」
「ドラゴンを倒しに行くところでして」
「へえ。ついていってあげようか」
「ぜひ」
しばらく歩いていくと、洞窟があった。
「どうする?破壊する?」
「いえ。……いや、お願いします」
「ん。どーん」
目からビームを出して洞窟を粉々に破壊した。
そうして中から怒り狂ったドラゴンが。ドラゴンとかいるんだ。いや本には書いてあったけど実際見るのは初めてというか。僕ドラゴン好きだから見れて嬉しい。大きい。僕なんか足の裏でぺしゃんこにされそう。
「手助けは不要です」
「ん、うん。分かった」
強さを見た方がいいのかな?ということで力は貸さないことに決めた。
サーノスは単騎でドラゴンに突っ込んで行った。
感想としては、あまり強くないというか。ゾンビ戦法みたいな戦い方で怖かった。




