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乙女ゲームのセーブ&ロードくんがあだ名のモブ?に転生したので平和に暮らしたい  作者: 神谷洸希
中等部1年生

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1-15 ボッチ

 見た目が分かってるのは大きいぞ。リエルの襲撃者の特徴は……髪の色、は茶色だったな。茶髪……多すぎて分からないや。


 背は低かった。まあ僕と同じ1年生って話だし普通はそんなものだろう。

 背が低いってことは余計に探すのが難しいってことで……いやーリエルって視認性高くて便利だなー。僕が見ていたことに気づいたのかニコニコしながら手を振ってきた。やめろ、また面倒なことになるから。


 とりあえず様子がおかしいやつを探すか。うーん。


 捕まえた時はこの辺にいたんだっけ。あ、いた。

 やっぱ情報持ってるって強いな。


「やっほー」


 笑いながらたかたか走って行くと、え!?みたいな顔をしている。ははは。


 さて精神干渉魔法かかってんだったよね?どうしよっかなー。


「ねえ君、ちょっと良いかな?」


「だ、誰ですか?」


「スティーヴ・ヘイズだよ。よろしくね」


「そうなんですか。俺はレイヴン・クロウラーです」


 ……カラスが2つ入ってる?かなり変わった名前だな。とか思うのは僕がもともと日本人だからだろうか。でもこれ日本のゲームなんだよな。

 この違和感はきちんと覚えておいた方がいい。


「君、精神異常かかってるよ。保健室の先生に見てもらった方がいいと思うな、僕」


「そんなことないですよ、大丈夫ですって。ほら解放してくださいよ」


「あはは」


 手順ミスったな。これ保健室の先生を連れてくるの先にした方が良かったんじゃない?


「マリス」


 マリスが近くにいたので思わず声をかけてしまう。

 今回は話してすらいないにもかかわらず。

 何話そう。


「マリスってば1人なの?ボッチ?」


 煽るようなことしか言えなかった。


「貴方と一緒にされたくないですわ!私のようなものは孤高というのです!」


 ……。僕マリスからボッチ仲間とでも思われてたのかな。まあ否定はしないけど。ルナとはそこそこの仲だし、アンナもリエルも僕関係なく人気者だしね。別に寂しくはない。世の中ってのは意外と1人でなんとかなっちゃうものだ。


「へえ、そう。僕は孤高に見えないんだ?」


 思ったより食いつきが良かったので少し圧力をかけてみることにした。


 レイヴンが逃げようとするので腕をがっしり掴む。


「スティーヴはたまに存在感が薄くなる時がありますわ」


「なるほどねぇ」


 その辺は僕はモブキャラだというのと関係あるのかもしれない。


「ねえ。あれは誰か言える?」


 担任へ指をさす。


「教師なのは間違いないですわね。服を見るに社会の先生で……」


「あれは担任だよマリス」


「もちろん知っていましたわ!」


「そう。ならいいけど」


 見るからにほっとした顔をしている。

 さては君あんまり他人に興味無いタイプだな?


「あそこのサボテンを持っている人の名前は分かる?」


 柱の影にいる人物を指さす。さっきサボテンを渡されてるのを見た。普通に迷惑まであるプレゼント。文化祭のどっかで売ってたのかね。有名人なので知ってるかなーという確認。別に知らなくてもいいんだけど誤魔化したりしたら面白いかなという好奇心もあるかも。


「サボテンですの?うーん……ナカヤマさんではありませんか?」


「………ナカヤマ?」


 日本人名だ。


「ええ、クリスティーヌ・ナカヤマさんですわ」


 日本人名ではなかった。


「誰?」


「3年の……ほらあそこの柱の影にいる」


「クリストファー・サリバンだね……あと2年生だよ」


 クリスティーヌってそもそも女性名だし…。

 柱の影にいる人物はどうみても男だ。

 ナカヤマはどっから生えてきたんです?


 ちなみにクリストファーは副会長だ。哲学について造詣が深い。僕が図書室でぼーっとしてたら絡まれて永遠に語られた。特待生だからってなんでも知ってると思うなよ。

 それはさておき。


「これは誰か分かる?」


「ん?ああ、レイヴンじゃないですの」


「あ、それは分かるんだ……」


「バカにしないでくださいます?」


 あ、はい。


「しばらく捕まえといてくれない?僕は保健室の先生連れてくるから」


「……2人いるんだからそのまま連行すればいいと思いますわ。何か怪我でもしたのですか?」


 マリスがそのままレイヴンをズルズル引っ張っていく。力強いね。


「精神異常の疑いありなんだよね」


 僕も協力するためにレイヴンを一緒に引っ張る。


「離せ!」


「ふむ、言われてみれば……いつもと様子が違いますわね」


「そうなの?」


「ええ。いつもは爽やか系ですわよ」


「そ、そうなんだ」




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