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第9話:微かな秘密の兆し
「ん…これは…ただの笑顔じゃないな」
迅の目は、癒し系Bに止まった。
普段は柔らかく微笑むだけの彼女。だが、その微笑みの奥に、わずかな緊張の影がある――小さな視線の逸らし方、指先の動き、言葉のリズム。
「やっぱり、この子も何か隠してる」
心の中で迅は冷静に分析を始める。
ズレ系Cは相変わらず天然ぶりを発揮して場を和ませつつ、ふとした言葉で他の女性たちを揺さぶる。
「ねぇ、Aさん、その反応って本気?」
この一言に、完璧系Aの表情がわずかに変わる。
「小さな波紋…面白い」
迅の心に、ささやかな興奮が走る。
もちろん魔性系Dも黙ってはいない。
「ふふ、さすがね…でも油断は禁物」
その微笑みに、心理戦の緊張が一気に増す。
Dの存在だけで、会場の空気は鋭く張り詰めている。
初めて、迅は全員の仮面の一部を少しずつ見抜き始めた。
笑顔の奥に隠された秘密、微妙な動き、計算された仕草――すべてが次の駆け引きに繋がる。
「よし…ここからだ」
胸の高鳴りと緊張感を抱え、迅は次の一手を決めた。
心理戦は、確実に加速していく――。




