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第7話:魔性の罠、初めての焦り
「ふふ、あなた、少し油断してる?」
魔性系Dが、いつの間にか迅の隣に立っていた。
その微笑は甘く、しかしどこか刃物のように鋭い。
「この子…一瞬で距離を詰めてきた…」
心の中で迅は警戒を強める。
Dは巧みに会話の流れを操作し、周囲の女性たちを巻き込む。
「ねぇ、ちょっと気になるんだけど…」
その一言で、完璧系Aの観察眼もわずかに揺れる。
ズレ系Cは天然ぶりを発揮しつつ、思わぬ鋭い指摘で場をかき乱す。
癒し系Bの微笑も、一瞬だけ意味深な動きが。
迅は心の中で冷静に分析する。
「Dは俺を揺さぶりに来ている…でも、この罠、甘くはない」
だが、その罠の一部に気づかず、わずかに反応してしまった瞬間、Dは微笑を深める。
「ふふ、面白い。あなた、少し焦ってるわね」
その声に、迅の胸の奥に小さな緊張が走る。
心理戦は加速し、笑顔と駆け引きの渦に巻き込まれる会場。
「くっ…この戦い、やっぱり簡単じゃないな」
初めて、迅は焦りと興奮が入り混じる感覚を味わった。




