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第13話:魔性の逆襲
「ふふ、面白い…でも、ここで黙ってはいられないわ」
Dの瞳に光が宿る。
迅の反撃で一瞬揺れたものの、すぐに冷静を取り戻した。
「この男…少しやるわね。でも、油断は禁物」
Dは会場の空気を巧みに操作する。
「ねぇ、ちょっと注目してみようか?」
その一言で、完璧系Aの視線は迅に向き、微妙な表情の変化を生む。
Bも柔らかい微笑を浮かべつつ、わずかな動きで場の雰囲気を調整。
Cは天然ぶりで笑わせながら、Dの策略に気づかぬまま小さな波紋を作る。
迅は心の中で冷静に分析する。
「Dの罠…今回の狙いは俺だけじゃない」
全員の動きと微細な表情、言葉の間合いを観察し、次の手を練る。
Dはさらに一歩、巧妙に迅の心理を揺さぶる。
「ふふ…これでどう出る?」
その挑発に、迅の胸に小さな焦りが走る。
だが、同時に心の奥底では高揚感も芽生える――
心理戦の醍醐味を、初めて心から楽しんでいる自分に気づいたのだ。
会場の笑顔と嘘が入り混じる空間。
誰もが仮面をかぶり、誰もが次の一手を狙う――。
心理戦は、さらに深く、複雑に、加速していく――。




