10/24
第10話:魔性の罠、迫る選択
「ふふ、さあ、どうする?」
Dが間近で微笑む。その瞳には、計算された狡猾さと楽しげな挑発が混ざっている。
迅は心の中で一瞬、警戒を最大に強めた。
「くっ…こいつ、完全にこちらを試してる」
Dは軽やかに他の女性たちにも声をかけ、会場全体の空気を操作する。
「ねぇ、皆でちょっと競争してみない?」
その一言で完璧系Aは顔に微かな焦りを浮かべ、Bは柔らかい微笑の奥にわずかな緊張を隠す。
Cは天然ぶりを発揮しつつ、言葉の端で小さな波紋を生む。
迅はその状況を一目で把握した。
Dの罠は、ただの心理戦ではない――一瞬の判断でこちらの立場が大きく揺らぐ仕掛けだ。
「これは…行動を誤れば…」
心臓が高鳴り、体が自然に緊張する。
しかし迅は笑みを浮かべる。
「なら…俺も遊ばせてもらうか」
小さな反撃の手を打つ準備をしながら、心の中でDの一手先を読み始める。
会場には微妙な沈黙が生まれる。
笑顔の裏で駆け引きが渦巻き、読者は息を呑む。
心理戦は、確実に最高潮に向かって動き始めていた――。




