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第1話:仮面婚活、開幕
「俺の年収は450万。いや、本当は数千万だけど、今日は黙っておくしかない――。」
城ヶ崎迅は、軽く肩をすくめながら婚活パーティーの会場に足を踏み入れた。
煌びやかな照明とシャンデリア、甘い香り、そして緊張した空気が入り混じった空間――。
「うわ、なんか…めっちゃ女の視線が刺さるな」
高いヒールに身を包み、笑顔を絶やさない女性たちが、さりげなくこちらを観察している。
迅はすぐに、ここがただの婚活パーティーではないことを直感した。
前に立ったのは、完璧すぎる笑顔のA。
「初めまして、今日はよろしくお願いします」
笑顔は眩しいのに、どこかぎこちない…いや、これは計算か。
一方、癒し系のBは、柔らかな笑顔でこちらを見つめ、まるで天使のように話しかけてくる。
しかし、その瞳の奥には何か、ちょっと重たいものを感じる。
「いやいや、落ち着け俺…まずは情報収集だ」
心の中でツッコミを入れながら、迅はパーティーの中で慎重に立ち回る。
だが、会場の空気は予想以上に“危険”だった。
笑顔の裏に潜む駆け引き、そして計算された微妙な嘘。
この心理戦から逃げることはできない――。
「さあ、化けの皮を剥がすゲームの始まりだ」




