レイラの過去。7
だが、俺は夢の中の出来事が気になっていたからか、レイラの能力が分かって少しホッとしていた。
水晶玉をしまったエイネスが微笑むと、レイラに優しく言った。
「まあ、魔法の属性は後天性で得られる場合も多いからね! レイラちゃんもゆっくり自分に使える属性を探していきましょう!」
「……うん」
彼女の言葉に頷いたレイラは何も気にしていない様子で笑顔を見せた。
エイネスは黒板を棒で叩いた。
「今日は魔法は撃ちません」
『えー!!』
俺達はエイネスに抗議すると、エイネスが再び棒で黒板を叩く。
「静かに! 魔法は使わないけど、座学も重要なことなのよ? 頭で理解してからじゃないと、魔法を撃っても理解できないからね!」
そういうとエイネスは説明を始める。
「まずは魔法は放出するものってイメージがあると思いますが、実は体内で魔力を吸収してからそれを圧縮して一気に放出するのが魔法よ……つまり、魔法を放つ時は体内の魔力の濃度が重要になるわ」
エイネスは魔力を手の平に集めると、赤くわずかに温かい玉状の魔力の塊を見せてきた。
俺達はその魔力の塊を見て不思議そうに首を傾げている。
「みんなにはそれを作ってもらいます……玉状にしてしまえば、時間が経って勝手に消えるから安心して」
『はい!』
俺達は全員同時に返事をすると、集中して手の平に魔力を溜める。
しかし、魔力を溜めるのは意外と難しく、アリサは魔力を溜めているつもりでも、普通に炎魔法を発動させてしまっていて炎の玉が出てきていた。
エルロンドに至っては、光魔法で出現した光る玉になってしまっていた。
最年少のリエラは誰よりも早く魔力の玉を作り出してドヤ顔でエイネスとリティスに褒めてもらって笑顔を見せる。
我が妹は天才なのかもしれない……
俺はリエラの才能溢れた妹の成長を喜んでいると、エイネスが俺の方に歩いてきた。
「……リオンくん。どう?」
「先生。そうですね……なかなか、上手くいかないです」
「ふふっ……リオンくんはちょっと他の子と違うからね。なら、私の手を握って……」
そう言ってエイネスは俺に手を差し出した。
彼女が何を考えているのかは分からないが、俺としてはエイネスの性癖はさておき、魔導師としては信用している。
おそらく、今回のことも彼女なりに俺のことを考えてのことだろう。




