レイラの過去。3
俺はお湯の中で目を覚ます。
……夢だったのか?
俺はそう思いながら、手でお湯を掬って顔に掛けた。
夢にしてはやけにリアルで、何故か胸の奥がモヤモヤする。
「夢……それにしても、なんか妙にリアルだったな……」
俺はお湯に肩まで浸かりながら天井を見上げて息を吐いた。
湯船から立ち上がった俺は、風呂場を出てバスタオルで体を拭いた。
俺は自分の部屋に戻ると、まだベッドの上でぐっすりと眠っているアリサとレイラを見て少し微笑んだ。
彼女達の寝顔は本当に天使みたいに可愛い。それを見ているだけで、さっき見た夢などどうでもよく感じてしまう。
朝食の時間だから2人を起こそうと思って部屋に戻って来たが、こんなにも気持ち良さそうに眠っているアリサとレイラを起こすのは可哀想だ。
俺は2人を起こすのをやめて、先に朝食を食べるために食堂へ向かった。
食堂にはエイネスとリティスがいた。
「あら、リオンくん! 朝ご飯を食べに来たの? なら、一緒に食べましょうよ!」
「おはようございます。エイネス先生。そうですね。僕も一緒に食べます」
にっこりと微笑むエイネスの対面に座ると、俺は朝食が出て来るのを待っていた。
すると、エイネスが話し掛けてくる。
「昨日はダンジョンで大変だったわね。予期せぬ事態とはいえ、リオンくんとアリサちゃんにはとても怖い思いをさせてしまったわね。ごめんなさい……」
申し訳無さそうに謝るエイネスを見て、俺は慌てて答える。
「いえ! そんなことはないです! 僕は先生に助けていただいて感謝しています。それにレイラとも出会えたわけで、悪いことばかりではありません。あんなの誰も予想できませんし、気にしないで下さい」
「リオンくん……ありがとう。命の危険があったのに、リオンくんは優しいわね」
俺の言葉にエイネスは笑顔で頷いた。
そこで、俺は夢のことを思い出す。エイネスは見た目は少女だが、千年くらい生きる魔導師だ。もしかしたら、伝説でしかない英雄のリュウジのことを知っているかもしれない。
「先生。あの、少しお話が……」
俺が話を切り出そうとしたら、メイドが料理を運んできた。
「まあ、お話は食事を食べてからにしましょう。せっかくの料理が冷めてしまうからね!」
「はい」
エイネスにそう言われて、俺は静かに頷くと朝食を食べ始める。




