ダンジョンで出会った女の子
俺達がボス部屋の黒竜を倒した先にいた鎖に繋がれた裸の銀髪の女の子を俺は手足の鎖を切って彼女を降ろして上げた。
「……アリサ。この子に服を着せてあげてほしい」
「ええ、分かったわ」
地面に寝かせてた女の子に自分が持っていた服をマジックバッグから取り出してアリサは着せてあげた。
だが、どうしてボス部屋の先に女の子がいたのか分からない。
辺りを見渡すと、俺は地面に刺さっている剣を見つける。
「この剣は……」
俺は金色に輝くその剣の柄を握って思い切り引き抜いた。
すると、まるで抵抗感もなくスポッと抜けて俺の体が後ろに転がる。
「……うわぁっ!!」
驚いて地面を転がる俺を見て、アリサが呆れながら言った。
「なに遊んでるのよ! ほら、リオン。この子が目を覚ましそうよ?」
アリサがそう言うので、慌てて起き上がって俺は女の子の方へと急いで駆け寄る。
銀髪の長い髪の女の子は、ゆっくりと瞼を開いて紫色の瞳を露わにした。
そして俺達を見て呟く。
「……ここは? どこ?」
「あなたはあの鎖に繋がれてたのよ? なにか覚えてないの?」
アリサが心配そうに女の子に問いかけると、少し間を空けて首を横に振った。
「ごめんなさい……何も覚えてないの……」
彼女は申し訳なさそうに俺達にそう告げた。
それにしても、この女の子は何者なのか……
すると突然、女の子が自分の胸元を押さえて苦しみ出した。
「うっ……うあああああああああああっ!」
胸を押さえて苦しそうに地面に悶える。
「おい! 大丈夫か!?」
俺はすぐに駆け寄り彼女を落ち着かせようとする。
彼女が急に何事もなかったかのようにむくっと立ち上がった。
「汝は選ばれし者……異世界よりの放浪者よ。汝に聖剣エクスカリバーと剣の守護者を導く者……レイラを授ける」
そう告げたレイラの瞳には光が宿っておらず、まるで魂の抜け殻のようだ。
それを聞いた俺は驚き目を丸くさせる。
エクスカリバーと言えば、俺がいた世界の聖剣だ。だが、それがどうして異世界のダンジョンにあるのか理解出来なかった。
「……検討を祈るぞ。異世界よりの来訪者よ……」
そう言い残してレイラは糸の切れた人形のように地面に倒れた。
再び眠ったレイラにアリサが駆け寄る。
俺は手に握り締めている金色の剣を見つめていた。
(これが聖剣エクスカリバー……なぜ、俺達の世界の聖剣がここに……)
まさか異世界であるこの世界に、俺達の聖剣があるとは思いもしなかった。




