ダンジョンの最下層。
突然。アリサと俺はどこかに飛ばされてしまった。
辺りを見渡してみたが、さっきよりも暗く一寸先は闇という言葉の通りだ。
近くに倒れていたアリサの肩を揺らして気を失っている彼女を起こす。
「……アリサ。起きるんだ! アリサ!」
「んっ……リオン? こ、ここは?」
瞼を開けたアリサは辺りを見渡した。
「暗いわね……炎よ。私達を照らし出せ! ファイアーランプ!」
アリサが魔法を発動すると、火の玉がふわふわと空中に浮かび上がり辺りを照らし出す。
照らし出された辺りの景色を見たアリサは叫び声を上げた。
「きゃあああああああああああっ!!」
アリサが悲鳴を上げるのは当然だ。道のあちこちにはボロボロの装備を着た白骨が辺りに転がっている。
「これは……この階層に迷い込んだ冒険者の成れの果てか……」
「……リオン」
辺りに転がる骸骨を見下ろす俺の腕にアリサは震えながら抱きついてくる。
「アリサ……とりあえず。出口を探そう! このままここにいたら、この冒険者達の二の舞だ!」
「えぇー!? こ、怖いんだけど……」
怖がるアリサががっしりと俺の腕に抱きつき、震えながらおぼつかない足取りで俺達は歩き出した。
道はまるで迷路のように入り組んでいて、さっき見た道が何度も現れ、まるで出口に向かっている気がしない。
この階層がどのくらい深いのか分からないが、道を見ていても道の端に松明などの人工物はなく、誰かが手を入れた痕跡も全くない。
「……未踏破エリアなのか? 誰かが来た形跡もないし、人の気配どころかモンスターすらいない」
「ちょ……ちょっとリオン。歩くの速い……あたし、おばけとかむりぃ……絶対にあたしから離れないでね?」
普段の人当たりが強いアリサの姿はどこにもない。瞳に涙を浮かべて俺の腕にしがみつき、へっぴり腰で足が恐怖で震えているアリサはまるで生まれたての子鹿のようだ。
まあ、俺は現実世界では18歳の青年だったからまだ子供のしかも女の子とすれば当然の反応だろう。
「アリサ。僕に任せて……必ず、君をこのダンジョンから脱出させてあげるから!」
「……リオン。約束ね! 絶対にあたしを助けてね!」
「ああ、約束だ!」
俺は怖がるアリサにそう言って微笑み掛けると、アリサは瞳を輝かせて頬を赤く染めながらぎゅっと俺の腕に抱きつく。
まあ、本当は腕を離してほしいんだが、怖がっているアリサに歩き難いから放してなんて言えない。




