ダンジョン。4
「リオン! 楽しみだね!」
そんな俺の気持ちなんて分からないのだろう。アリサは嬉しそうに笑顔でそう言ってきた。
「……ああ、そうだね」
明らかに声のトーンも低く、表情も暗い俺にアリサは笑顔で抱きついてくる。
「大丈夫だよ……リオンは強いもん。それにもしリオンがピンチの時にはあたしがリオンを守ってあげる……」
「……アリサ」
俺を抱きしめて優しくそう言ってくれるアリサ。
だが、現実世界で17歳まで剣術や武術をやってきた俺が、魔物にビビってまだ8歳の女の子に守られるわけにはいかない。
「ありがとう、アリサ。僕が間違えていた……アリサの気持ちは嬉しい。けど、僕がアリサを守らなきゃダメなんだ!」
「……リオン。うん! もしもの時はあたしを守ってね! リオン!」
覚悟を決めた顔で俺がそう伝えると、アリサは頬を真っ赤に染めながらキラキラと輝く瞳で嬉しそうに俺の体をぎゅっと抱きついた。
「その心配は無用よ! 私がロリとショタは絶対に守るもの! あっ、リティスは自分で身を守ってね……もうロリじゃないんだし」
「ほんとにあんたは…………さいっ、てい!!」
リティスは瞳に涙を浮かべてエイネスの頬を思い切り平手で叩いた。
エイネスの体は吹き飛ばされて本棚に激突すると崩れて来る本の山に埋まった。
「ほら、みんな。こんなダメな人は放って置いて行くわよ!」
リティスは怒りながらスタスタと歩いて先に部屋を出て行った。
俺達は街から少し離れたダンジョンにやってきた。街の近くにあるダンジョンは比較的に難易度は低いものが多い。
何故なら、昔はダンジョンからのドロップ品で商売や生活をしてきた過去があるからだ。
古代の文明が大きな河沿いに栄えてきた過去があるように、この異世界ではダンジョンの側に大きな都市ができる。魔法や物流が発展した今は他国から物資などを運べるようになって、ダンジョンはあくまで出稼ぎの手段の一部になっている。
しかし、難易度が低くても調査されている階層はまだ僅か一部で、未開層はどんなモンスターが生息しているか分からない為、非常に危険であることには変わりない。
「はい。みんな注目して! ダンジョンに来たら、この魔法石に触れてから必ず入る事。出る時も同じように魔法石に触れてから帰るの! 理由は簡単。ダンジョンに取り残されたりした人数と身元を把握する為よ!」
そう。リティスの説明した通り、ダンジョンの入り口には必ず魔法石と呼ばれる石が埋め込まれたプレートが存在する。




