魔法の師匠。10
これは押せば行けると確信した俺は更に言葉を続ける。
「お父様はいつも僕に言っていました。受けた恩は必ず返すものだと……なら、今から恩を受ける人にも親切にしなければいけないんじゃないですか?」
「…………その通りだ。なら、リオン。お前の部屋を貸してやれ。そして、お前は今日からエイネスが滞在する間。私と母親とリエラの4人で寝るのだ! これだけは譲れぬ!」
「分かりました! さっそく先生に伝えて来ます!」
ランベルクは部屋から出て行く俺の後ろ姿を見送ると大きなため息を漏らした。
俺がエイネスとリティスのところに戻る。
「先生! お父様が屋敷に泊まっていいって言ってました!」
「本当!? うちも泊まっていいの?」
「はい! もちろんです!」
「ありがとう! リオンくーん!」
リティスも嬉しそうに跳び回る横で、エイネスが俺に抱きついてくる。
エイネスの豊満な胸を顔に押し付けて来る。
俺は抱きついてくるエイネスに困りながら離れると、ソファーに寝かされていたリエラを起こす。
「リエラ、お母様のところに行こう……」
「……うぅぅ……おにいさまぁ……」
「さあ、行くよ……あっ! リティスさんと先生は僕の部屋を好きに使って下さい!」
まだ眠そうに目を擦りながらぽわぽわした様子のリエラの手を引いて部屋を出た。
リエラの手を引いて廊下を歩いていると、そこにアリサがやってきた。
「リオン……あの……リオンって、あの大魔導師エイネス・リティス様に魔法を教えてもらっているって本当?」
「ああ、本当だよ。それがどうしたの?」
眠そうにこくりこくりと頭を上下に動かしているリエラの手を握っていた俺にアリサが聞いてきた。
「その……あ、あたしも……リオンと一緒に……じゃなくて、エイネス様に魔法を教えてほしいなぁーって……思って……」
「ああ……」
頬を赤らめながら手を前で重ねてモジモジさせてアリサはそう言った。
そうか……アリサも強くなる為に頑張ってるんだなぁ……向上心があるのはいい事だ!
俺はそんなアリサを見つめて思った。
アリサは美少女だ。あのロリコンなら、きっとお風呂に一緒に入ってこの美貌でアタックすれば、きっと魔法を教えることくらい簡単に了承するだろう。
「そうだね……先生はアリサが一緒にお風呂に入って背中でも流してあげたら、すぐに魔法を教えてくれるって言うんじゃないかな?」
「ほんとっ!? そんなことでいいの!?」
「ああ、アリサなら先生もイチコロだよ!」
俺に微笑みかけたアリサはぐっと拳を握ると決意に満ちた瞳で俺に手を振って走って行った。
「リオン、ありがとね! あたし頑張って来る!」
「うん。頑張って!」
俺はアリサと別れると、リエラの手を引いて母親のところへ歩いて行く。




